10/2821:03:03: 今日の IKAROS(10/28) - Daily Report - Oct 28, 2011
Category: Operation
Posted by: IKAROS
10/28(金)の運用は、ビーコン運用による健康状態の確認、再生レンジングを
行いました。
IKAROSは本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。
次回の運用予定は明日土曜日(10/29)未明からです。
逆スピン移行後のIKAROSの姿勢状態や、臼田局とIKAROSとの距離がどんどん遠く
なっている状況から、IKAROSとの通信状況も日々顕著に変化しています。
本日の再生レンジングは、今までのような各種通信設定では距離をうまく計測する
ことができず、設定を変更・調整しながらの計測となりました。
スーパーバイザー担当は、しばらくこの「最適な通信状況確保のために各種通信
設定とのリアルタイムな戦い」が続きそうです。
( KY )
P.S.
10月15日に私の書いたblogにて、
(http://www.isas.jaxa.jp/home/IKAROS-blog/index.php?itemid=949)
【臼田局での「設定を攻めに攻めて受信」】
と題して説明させて頂きましたが、やはり内容が暴走しすぎて、うまく説明できておらず、
ある方から「まったくわからん!!」とお叱りを頂きました・・・。
この場をお借りして少し補足させて頂きます。(物語の表現とは少し違った表現に
なりますが、ご容赦ください)
はちみつの味を濃くする:IKAROSからの電波は搬送波という信号を伝送するための
土台信号(トラック)に変調という方式を使って副搬送波という
入れ物用信号(荷台)をつくりだしていて、この副搬送波に
テレメトリの信号を含ませて(荷台に荷物を載せる)います。
変調の度合いを強くすると副搬送波の強さも強くなって(荷台の
大きさが大きくなって)臼田局ではテレメトリ信号を解読しやすく
なります(荷物の量が変わらなければ識別しやすくなる)。
一方、IKAROSからの電波の総強さ(トラック/荷台/荷物の総重量)
は一定であるため、変調度の度合いを強くすると(荷台を大きくすると)、
搬送波の強さは弱くなって(トラックの大きさは小さくなって)しまい
ます。
「はちみつの味を濃くする」とは、変調の度合いを強くすることを
意味しています。
臼田先生の隠し技「エラッ!!」:臼田局のアンテナの下についている受信設備には
PLL(フェイズロックループ)という機能があります。
これは探査機からきた搬送波信号を安定的に捕えるための機能
(トラックが入庫するための入口ドア)です。
この機能のバンドワイド(入口の大きさ)を調節することにより、
IKAROSからの搬送波信号を安定的にとらえることができます。
ただし、ハンドワイドを広げる(トラックの入る入口を大きくする)と
ノイズ(雨粒や埃)も一緒に入れてしまうことになり、搬送波が
ノイズに埋もれてしまって搬送波が捕えにくく(トラックが雨や埃まみれ
になって何処にいるか、入口からいつ入ってきたのかわからなくなる)
なります。
これにはバンドワイドを狭くして(入口を小さくして)、ノイズを拾う
領域をなるべく無くして(雨粒や埃が入口から入って来づらくして入口
手前で捨ててしまう。つまり入口ドア横にエラ機能)やれば良く、
搬送波を一旦捕えてしまえばノイズも少ない状況で受信できます。
今回の隠し技は、普段使わなかったような狭いバンドワイド広さの設定
を使ったことを意味しています。
うーん。人に伝えられる説明には、まだまだもっと修行が必要なようです。
10/28のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 177967099km, 赤経=177.4°, 赤緯=2.8°
金星距離: 1.36AU(203688534km)
姿勢:スピンレート=-0.7rpm, 太陽角=23deg
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 177967099km, RA=177.4deg, Dec=2.8deg
Venus Distance: 1.36AU(203688534km)
Attitude: Spin Rate=-0.7rpm, Sun Angle=23deg
今日(10月28日)は何の日?
・航空宇宙技術研究所試作の短距離離陸機STOL実験機「飛鳥」初飛行(1985年)
・イギリス初の人工衛星「プロスペロ」打上げ(1971年/イギリス)
・群馬県民の日:1871年(明治4年)に群馬県の名称が初めて使われたことを記念して
1985年(昭和60年)に県が制定。
行いました。
IKAROSは本日も順調に、そして健康に深い宇宙の中を航行しています。
次回の運用予定は明日土曜日(10/29)未明からです。
逆スピン移行後のIKAROSの姿勢状態や、臼田局とIKAROSとの距離がどんどん遠く
なっている状況から、IKAROSとの通信状況も日々顕著に変化しています。
本日の再生レンジングは、今までのような各種通信設定では距離をうまく計測する
ことができず、設定を変更・調整しながらの計測となりました。
スーパーバイザー担当は、しばらくこの「最適な通信状況確保のために各種通信
設定とのリアルタイムな戦い」が続きそうです。
( KY )
P.S.
10月15日に私の書いたblogにて、
(http://www.isas.jaxa.jp/home/IKAROS-blog/index.php?itemid=949)
【臼田局での「設定を攻めに攻めて受信」】
と題して説明させて頂きましたが、やはり内容が暴走しすぎて、うまく説明できておらず、
ある方から「まったくわからん!!」とお叱りを頂きました・・・。
この場をお借りして少し補足させて頂きます。(物語の表現とは少し違った表現に
なりますが、ご容赦ください)
はちみつの味を濃くする:IKAROSからの電波は搬送波という信号を伝送するための
土台信号(トラック)に変調という方式を使って副搬送波という
入れ物用信号(荷台)をつくりだしていて、この副搬送波に
テレメトリの信号を含ませて(荷台に荷物を載せる)います。
変調の度合いを強くすると副搬送波の強さも強くなって(荷台の
大きさが大きくなって)臼田局ではテレメトリ信号を解読しやすく
なります(荷物の量が変わらなければ識別しやすくなる)。
一方、IKAROSからの電波の総強さ(トラック/荷台/荷物の総重量)
は一定であるため、変調度の度合いを強くすると(荷台を大きくすると)、
搬送波の強さは弱くなって(トラックの大きさは小さくなって)しまい
ます。
「はちみつの味を濃くする」とは、変調の度合いを強くすることを
意味しています。
臼田先生の隠し技「エラッ!!」:臼田局のアンテナの下についている受信設備には
PLL(フェイズロックループ)という機能があります。
これは探査機からきた搬送波信号を安定的に捕えるための機能
(トラックが入庫するための入口ドア)です。
この機能のバンドワイド(入口の大きさ)を調節することにより、
IKAROSからの搬送波信号を安定的にとらえることができます。
ただし、ハンドワイドを広げる(トラックの入る入口を大きくする)と
ノイズ(雨粒や埃)も一緒に入れてしまうことになり、搬送波が
ノイズに埋もれてしまって搬送波が捕えにくく(トラックが雨や埃まみれ
になって何処にいるか、入口からいつ入ってきたのかわからなくなる)
なります。
これにはバンドワイドを狭くして(入口を小さくして)、ノイズを拾う
領域をなるべく無くして(雨粒や埃が入口から入って来づらくして入口
手前で捨ててしまう。つまり入口ドア横にエラ機能)やれば良く、
搬送波を一旦捕えてしまえばノイズも少ない状況で受信できます。
今回の隠し技は、普段使わなかったような狭いバンドワイド広さの設定
を使ったことを意味しています。
うーん。人に伝えられる説明には、まだまだもっと修行が必要なようです。
10/28のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 177967099km, 赤経=177.4°, 赤緯=2.8°
金星距離: 1.36AU(203688534km)
姿勢:スピンレート=-0.7rpm, 太陽角=23deg
Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 177967099km, RA=177.4deg, Dec=2.8deg
Venus Distance: 1.36AU(203688534km)
Attitude: Spin Rate=-0.7rpm, Sun Angle=23deg
今日(10月28日)は何の日?
・航空宇宙技術研究所試作の短距離離陸機STOL実験機「飛鳥」初飛行(1985年)
・イギリス初の人工衛星「プロスペロ」打上げ(1971年/イギリス)
・群馬県民の日:1871年(明治4年)に群馬県の名称が初めて使われたことを記念して
1985年(昭和60年)に県が制定。
