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ペンシルロケット記念碑除幕式とタイムカプセル埋納


タイムカプセルの埋納

 東京都国分寺のペンシルロケット水平試射の跡地に「日本の宇宙開発発祥の地」記念碑が建立され、うららかな花見日和となった4月1日(土)、除幕式とタイムカプセルの埋納が行われました。記念碑は、ロケットをイメージしたデザインの高さ1m余りの御影石製で、上面に国分寺市長による「日本の宇宙開発発祥の地」の文字、その下にペンシルロケットを持つ糸川英夫博士の姿が写真そのままに彫り込まれました。正面にはペンシルロケットの浮き彫りと碑文、両翼には当時の実験の様子も刻まれています(表紙写真左)。また、記念碑の前面下にはタイムカプセルを埋納し、松本零士さんの「銀河鉄道999」のイラストが彫り込まれた黒御影石が載せられています。記念碑は、早稲田実業学校正門前広場の道路寄りの目立つところに建っています。


 除幕式とタイムカプセル埋納には多くの方が参列し、「未来のロケット」のイラストを描いた子どもたちも除幕のひもを一緒に引いてくれました(表紙写真右上)。タイムカプセルの中には、昨年8月開催のペンシルロケットフェスティバルで募集した「未来のロケット」のイラストに、国分寺の子どもたちのイラストも加えて約1400枚のはがきサイズのイラストと、フェスティバルで行われたペンシルロケットの再現実験1号機、探査機「はやぶさ」が撮影した小惑星イトカワの写真を載せたポスターも入れてあります。タイムカプセルは50年後の2055年に掘り出すことになっていますが、それはこの子たちに託すことになるでしょう。


 記念式典第2部では、糸川先生にチェロを教えたことのある国分寺在住のチェリスト松下修也さんの献楽があり、糸川先生が好きだった曲も演奏されました(表紙写真右下)。的川泰宣宇宙教育センター長は、まさにこの地での29回のペンシルロケット水平試射から日本の宇宙開発が始まったこと、糸川先生の常識にとらわれない逆転の発想がペンシルロケットを生み、日本の宇宙開発を育ててきたことを話され、300人近い参加者が熱心に聞き入っていました。

 記念碑の建立に当たっては、地元国分寺市民、早稲田実業学校関係者、ペンシルロケット開発に携わった方々、宇宙科学研究所のロケット開発関係者、ISASメールマガジン読者など多数の方々からも寄付が寄せられました。募金の賛同者は1000人近くになり、目標額の500万円を無事達成、この日を迎えることができました。多くの方々のお力添えにより完成したこの記念碑、近くにお越しの節はぜひお立ち寄りください。

(周東 三和子) 


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