No.300
2006.3

ISASニュース 2006.3 No.300

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中国のハワイ 海南島 

ISS科学プロジェクト室 上 野 史 郎  



中国の科学衛星のワークショップ

 中国の海南島で1月16日から20日まで開催された「硬X線モジュレーション望遠鏡(Hard X-ray Modulation Telescope;HXMT)ミニワークショップ」で発表してきました。目的はISS科学プロジェクト室で開発中の全天X線監視装置(MAXI;マキシ)の宣伝と、世界の全天X線観測計画の近況把握です。

 参加者は50名ほどで、外国人と中国人が半々でした。HXMT計画を本格的に進めるために、国際的なアドバイザリー委員会による評価を受けるのが主催者側の目的で、中国の宇宙開発局と財務局の役人も出席していました。HXMTの評価は良好でしたが、現実的で信頼できる性能予測をするという課題が出ました。 中国の開発体制と各国の取り組み

 HXMTは2011年ごろの打上げを目指す2.7トンの衛星で、IHEP(高エネルギー物理研究所)と精華大学の研究者がミッション装置(約1トン)を担当します。衛星工学や環境試験は、中国の宇宙空間研究所が協力します。HXMTの主観測装置は20−250keVをカバーするシンチレーションカウンター18個から成り、感度は既存の装置INTEGRAL/IBISより3倍良いと言っていました。20keV以下をカバーする二つの副観測装置(軟X線と中間X線観測装置)も検討していて、イギリスがLobster(宇宙ステーション用に設計した全天X線モニタの遺産)の搭載を提案しています。またドイツが検出器開発で参加しています。

 中国の若い参加者の中には、宇宙にかかわるのはHXMT衛星が初めてという検出器専門の人や電子回路専門の人もいて、黎明期の雰囲気と活気を感じました。


常夏の島で美肌料理

 海南島の1月は最高気温が28度、最低気温が21度くらいだそうで、実際Tシャツで十分でした。到着してからインターネットで仕入れた情報によると、緯度はハワイと同じ北緯20度です。暑いわけです。

 食事は油っこいものや激辛のものはほとんどなく、蒸したりゆでたりした海鮮や野菜が盛りだくさんでした。コラーゲンを十分摂取できたせいか、肌がつるつるになりました。海南島の食生活を続けたら、どこまで健康になるか想像がつきません。


海南島の絵はがき

 ホテルのフロントで「絵はがきを買いたい」と言うと、「ホテル内のビジネスセンターへ行け」というので行ってみました。売っていたのは海南島とは何の関連もない図柄の正月用の絵はがき1種類のみでした。ビジネスセンターの人が、デパートならあるかもしれないと教えてくれました。

 海南島のデパートは夜10時まで営業していて便利です。デパートに売ってはいたのですが、めったに売れないためか写真がひどく色あせしていました。趣があるかとは思ったのですが結局買わず、ほかの店を回って5件目にやっと普通の絵はがきを見つけました。中国人は絵はがきを送る習慣があまりないのかもしれません。


最後に

 中国の科学衛星も、この調子でいけば、すぐに国際レベルになるのではないかという印象を受けました。科学衛星の分野で日本が中国とどのように付き合っていくべきかを真剣に考える時期に来ているのかもしれません。

(うえの・しろう) 

ワークショップが開催されたホテル「珠江花園酒店」とその前のビーチ。
写真右手の階段に腰掛けているのはワークショップ参加者。      


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