「ISASニュース」初代編集委員長 平 尾 邦 雄
うれしい!!「ISASニュース」も300号になった。そうして、まだこれからも続きそうだ。
宇宙科学研究所が東京大学から独立して共同利用研究所となったときに、研究所の様子を全国の研究者や協力していただいているメーカーの方々に知っていただくことが大変必要だと思い、時の所長の森さんと相談して作りだした広報誌が「ISASニュース」である。研究系の方々に編集委員をお願いしたところ、皆さん同意してくださった。もちろん長く続けようという気持ちは皆さんにあったが、時にはカストリ雑誌と同じにならないかという声も聞かれた。しかし研究系の皆さんに編集していただけば、単なるお知らせにならず面白く読んでいただけるし、理学・工学両研究系の意思疎通も図れると思ったのである。それが功を奏して、いまだに好評を保って読んでいただいていると信じている。
さて、ここのところ観測ロケットや科学衛星の打上げや、その成果も広く世の中に認められるようになった。それは観測ロケット事業の初めから最も大事といわれた理工研究系の協力がなされてきているおかげであって、これは決して忘れてはいけないことであると思う。「ISASニュース」もこの点を重要視して、編集委員会として記事の内容を選ぶ際にもこの点を守っていただきたい。宇宙研は、全国共同利用機関としての模範であるといわれ続けなければならないと思っている。そうして、「ISASニュース」はそれに貢献できるように、絶えず研究者の意見を拾い上げることを忘れてはならないだろう。宇宙研の行う仕事は単なる国策ではなく、国民の支持を得て研究者の合意のもとに、人類の宇宙研究に貢献しようという大きな目的を果たさなければならないのである。
(ひらお・くにお)
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