No.298
2006.1

新年のごあいさつ

ISASニュース 2006.1 No.298 


- Home page
- No.298 目次
+ 新年のごあいさつ
- 宇宙科学最前線
- お知らせ
- ISAS事情
- 科学衛星秘話
- 宇宙の○人
- 東奔西走
- いも焼酎
- 宇宙・夢・人
- 編集後記

- BackNumber

宇宙科学研究本部長 井 上  一   


 皆さま,明けましておめでとうございます。

 宇宙科学研究本部において昨年は,「すざく」「れいめい」の軌道投入と運用開始,「はやぶさ」の小惑星イトカワ到着と着陸・離陸成功,とうれしいニュースが続きました。必ずしもすべてがうまくいったわけではありませんが,全体として,国民の大きな関心を呼び,大きな上昇機運を作ることができました。今年2月にはASTRO−Fの打上げ,そして夏にはSOLAR−Bの打上げを迎えます。昨年の成果の上に,さらに大きな飛躍を積み重ねることができる2006年としたいものです。

 さて,宇宙航空研究開発機構では,昨年早々に作成された「JAXA長期ビジョン」のもと,今後10年程度の戦略を立てる議論が進められています。その中で,宇宙科学が重要な役割を果たしていくために,検討すべき課題も少なからずあります。まず,何といっても,宇宙科学各分野が実現を目指している宇宙科学諸計画を長期計画として束ね,目標と戦略を明確に外に示していかなければなりません。宇宙科学コミュニティー全体での,広い議論をする必要があります。その中で,JAXA長期ビジョンに新しい柱として掲げられている「人類の活動領域を広げる月惑星探査」への対応も,重要な課題となるでしょう。宇宙研として,月惑星探査の科学的な筋道をきちんと通していくこと,および,月惑星探査の基盤技術開発をしっかり支えることが求められています。

 JAXA全体での諸活動に宇宙研がいかにかかわっていくか,考え方や体制的な整理をしていくことも重要です。宇宙研の構成員が,広くJAXAの中に活動を広げ,広く貢献をしていけるように,また逆に,宇宙科学の諸活動に全JAXA的な人員的支援を得ていけるように,組織の見直しも含めていろいろと考えていかなければなりません。また,宇宙科学の諸活動を通じて,JAXAの若手構成員に,自分の手を動かし,自分の頭で考えることの重要性を経験してもらう機会を提供するシステムを,ぜひ考えていきたいところです。

 この2006年,上のような活動が実を結びますよう,皆さまのご協力・ご支援を,どうかよろしくお願い申し上げます。

(いのうえ・はじめ) 


#
目次
#
宇宙科学最前線
#
Home page

ISASニュース No.298 (無断転載不可)