No.256
2002.7

ISASニュース 2002.7 No.256

- Home page
- No.256 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
- 東奔西走
- 微小重力科学あれこれ
+ いも焼酎
- 編集後記

- BackNumber

越 後

北 原 勇  

 お陰様で,私の手元に郵送して頂いたISASニュースも,早いもので13冊となりました。最新号(4月号)で,遠山文部科学大臣の視察を拝読し,MUSES-CSOLAR-Bの衛星実機をご覧頂いたことは,宇宙研にとって誠に有意義な機会を作られたと感じておりました。そんな折り,編集委員長の的川先生より執筆のお声がかかりましたので,気の向くままパソコンに向かっています。

 突然ですが,W杯の,韓国での開幕戦に続き,日本での第一戦(アイルランド対カメルーン)のキックオフ会場は 正解は,新潟スタジアム(ビッグスワン)でした。我が国で唯一の新幹線「新潟駅」から歩いて行ける距離(少し遠いですが)にある,サッカー場です。

 間もなく梅雨入りを迎えようとしている「新潟」のPRを少し。北西に日本海を有し,夕日が水平線に沈む光景を望み,日本で一番長い川「信濃川」と「阿賀野川」等の大河が海岸に流下して関東平野に次ぐ広大な越後平野を形成し,一大穀倉地帯となっている。

 県花「チューリップ」,県木「雪椿」,県鳥「朱鷺」,人口約250万人(20市56町35村),県名の由来「信濃川の河口の中州に新しい内湾(潟)が形成されたことににちなむ」。ちなみに現存する「潟」は,鳥屋野潟・福島潟・佐潟(SAKATA・ラムサール条約登録湿地,dash 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 dash 日本国内10番目)・御手洗潟・清五郎潟・上堰潟等,各それぞれの「潟」には渡り鳥が飛来するため,それらの保護・観察のため,環境が整備されており,必見をおすすめしたい。

 新潟県の特徴の一つに「裏日本」と言う概念が定着されているが,これは「表日本」と言う概念が,明治中期以降急速に進んだ結果と県の歴史には記されている。明治23年に開設された帝国議会に,新潟県は何と全国最多の13人の衆議院議員を送った。言わずと知れた府県別人口が全国一だったからである。3年後,三多摩地方を編入した東京府に抜かれ,大正初期には6位となった。これは県内に多発した大水害の疲弊が直接的な原因なのかも知れないが,例えば,鉄道の開通の遅れ,港湾整備の遅れ,高等教育については,官立の高等学校や専門学校のほとんどが太平洋側で,日本海側には金沢の第四高等学校と医学専門学校があるのみで,新潟県では,明治の終わりに新潟医学専門学校が設置された。このように日本海側の地域は,開発の遅れと,人口の流出が進んだ。

 県人気質として「規則正しい,親切,誠実,堅実,粘り強い,きまじめ」ないっぽう「消極的,とっつきにくい,陰気,淡泊,弱気」(社会心理学者 宮城音弥評),「粘り強く,勤勉だが地味,しかし実利的面もある」(文化人類学者 祖父江孝男評)。県内をドライブしていてこの様に,感じたことが多い。

 新潟市は現在人口約52万人(相模原市より一割強少ない)で近隣の市町村との広域合併の論議を深め,政令指定都市化を目指している。

 最後のPRとして,「いも焼酎」の投稿には不謹慎かも知れませんが,日本酒の代表的な銘柄を「越乃寒梅」「八海山」「上善如水」「久保田」「雪中梅」「鶴の友」「北雪」「吉乃川」「〆張鶴」「麒麟山」「越後鶴亀」「菊水」「清泉」「米百俵」等。日本海の海の幸を肴に一献。
 dash ごちそうさま dash

 この紙面をお借り致しまして,3年弱の宇宙研での勤務の間,宇宙研及び共同研究されていらっしゃる教職員,学生の皆様よりのご支援に心より御礼申し上げますと共に,間近に迫ったMUSES-Cの打上げの成功を新潟の地よりお祈り申し上げます。

(新潟大学経理部長 きたはら・いさむ) 


#
目次
#
編集後記
#
Home page

ISASニュース No.256 (無断転載不可)