- Home page
- No.184 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- はじまりのはなし
- 東奔西走
- 小宇宙
- いも焼酎

- BackNumber
ダミーロケット全機振動試験

 振動試験というと搭載機器が振動環境に耐えられるかを調べる試験のイメージが強いと思いますが,この全機振動試験とはロケット全体を振動させてロケットの動的な性質(固有振動モードと固有振動数)を調べる試験です。M-V型ロケットに搭載されている姿勢を制御するシステムがロケットに生じた振動を姿勢変化と勘違いしないように,また,姿勢制御によって大きな振動がロケットに発生しないように,あらかじめどのような振動が生じるか(固有振動モードと固有振動数)をシステムに教えておく必要があります。これらの情報は計算によって推定されていますが,より精度を上げるために実際のロケットを振動させてデータをとる目的でこの試験が計画されました。とはいっても,いきなり本物のロケットを振るのはいささか臆するので,予行演習として本物のM-Vとほとんど同じ大きさと重さを持つダミーロケットで今回試験を行いました。

 ロケットは140ォもの重さにも関わらず組立台上にあるときは手で振動させることができます。相模原での予備試験では電磁加振機の低周波での能力に一抹の不安があり人間加振機の登場も考えたのですが,幸いなことに整備塔の5階と7階に設置された電磁加振機で試験を行うことができました。ロケットはこの加振機に棒で繋がれ,生じた振動をロケットの各部に貼り付けたセンサで測定しました。

 J一郎助教授からの依頼でJ次郎教授が請け負ったこの試験は予想以上に(予想通りに?)大規模なものになり,改修したばかりの整備塔の床や天井に穴開けや溶接をすることは心苦しかったのですが,その甲斐あって,組立オペーレション後に予定されている実機振動試験に向け貴重な経験を積むことができました。

(峯杉賢治)

Return
Next

- Home page
- No.184 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- はじまりのはなし
- 東奔西走
- 小宇宙
- いも焼酎

- BackNumber
M-V-1 総合・地上系オペレーション

 前号にて開始をご報告したM-V 型ロケット第1号機の総合・地上系オペレーションは,6月10日をもって,概ね順調に終了した。折しも南九州はこのオペの最中に梅雨入りし,前半はかなりの雨に見舞われたものの,幸いにして後半は好天に恵まれスケジュールも順調に進行した。ダミーのロケットを用いて並行して行われた全機振動試験の予行練習も,関係者の精力的な努力のうちに順調に完了した。ダミーとはいえ,ランチャに装着されて発射状態にセットされた M-V 型ロケットは,整備塔との調和も見事で,均整のとれた姿をオペ参加者の前に現し,打ち上げが間近であることを印象づけていた。ダミーロケットは,オペ終了後に展示用としてM台地に置かれている。M-V 型機として初めてKSC で行われるオペではあったが,オペレーション班員も150名を越え,久しぶりにKSC,町とも昼夜を分かたずにぎやかであった。6月7日のCN系総合試験も,ほとんどトラブルなしに進行し,関係者各位の十分な準備に感謝を禁じえない。姿勢基準部の処理部に若干の調整を要する箇所が顕在化したことから,総合試験後に行うはずであった制御アクチュエータを含むノズル部のモータ結合を,月末から開始される組立オペへと移動した。

 次はいよいよ組立てオペ。 さらなる緊張と期待が交錯するものと思われるが,関係者のご尽力を願ってやまない。

(川口淳一郎)

Return
Next

- Home page
- No.184 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- はじまりのはなし
- 東奔西走
- 小宇宙
- いも焼酎

- BackNumber
M-V-1号機打上げについて

 M-V-1号機は,軌道上で大型アンテナ展開を初めとする工学実験ならびにスペースVLBIによる電波天文観測を実施する科学衛星MUSES-Bを所定の軌道に投入する事を目的としており,平成8年度夏期(9月10日)に鹿児島宇宙空間観測所から打上げを予定していました。しかし,機体の姿勢制御の基準となる慣性計測装置(IMU)の調整に時間を要することとなったため,スケジュール維持が困難となり,平成8年度冬期に打上げを延期することを決定しました。今後の具体的な打上げスケジュール等については,検討のうえ決定します。

Return


#
目次
#
はじまりのはなし
#
Home page

ISASニュース No.184 (無断転載不可)