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イプシロンロケット上段サブサイズモータ(M-34SIM-3) 地上燃焼試験の実施結果について
宇宙航空研究開発機構は、本日、イプシロンロケットの上段サブサイズモータ(M-34SIM-3)の地上燃焼試験を下記のとおり実施し、計画どおり終了しました
試験実施日:2011年9月30日(金)10時30分点火
試験場所:能代ロケット実験場
天 候:雨, 風:東北東 4.7m/sec,気温:16℃
[試験結果]
燃焼時間: 28秒
最大推力: 21kN
最大燃焼圧力: 6.0MPa
試験の様子 |
補足
イプシロンロケットの開発では、小型衛星の打上げ需要に応えながら宇宙輸送系の先進的な共通基盤技術の実証を目的として2段階開発の戦略をとっています。
第一段階では、近い将来見込まれる小型衛星打上げの要求に応えながら機体システムの自律点検機能に代表される革新的な運用技術を早期に実証し、第二段階では各機体サブシステムの抜本的な低コスト化・軽量化研究の成果にもとづいて国際的な価格競争力と高い運用性を備えた機体システムを構築する計画です。
第一段階においては、開発の期間と費用をおさえる目的で第1段モータにH-IIA・H-IIBのSRB-A(長秒時燃焼型)を共用し、第2段・第3段モータには「はやぶさ」を打上げたM-V-5号機の第3段モータM-34b、第4段キックモータKM-V2を再製造して用いるE-Xを開発しています。この上段モータは10年以上前に設計・開発されたもので、素材そのものの変更や同入手先変更による機能への影響を評価する必要があります。
E-X上段モータ開発の概略図
今回の地上燃焼試験は、このE-X上段モータ開発において設計変更を行った部分及び材料枯渇に伴い素材変更や製造業者変更となった部分の耐熱・断熱機能等の確認を目的として、能代ロケット実験場真空燃焼試験棟内の中高度高空性能試験設備のテストスタンドを利用して大気燃焼の条件で実施しました。
実験方法や手順は、過去にM-V開発の一環として実施されたM-34SIM-1モータやM-34SIM-2モータの地上燃焼試験で確立された内容を踏襲しています。
イプシロンロケットプロジェクトチームと宇宙科学研究所は、本地上燃焼試験の実施により、これまで培ってきた固体モータの地上燃焼試験技術の維持・継承を図るとともに、取得したデータを元に上段モータノズル部の耐熱・断熱材の機能確認を行い、着実にイプシロンロケットの開発を進めていきます。
2011年9月30日