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「はやぶさ」カプセル内の微粒子の初期分析の中間結果について
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器(※1)からの微粒子の採集とカタログ化を進めています。
その一環として、サンプルキャッチャーA室から回収された微粒子の中で電子顕微鏡観察により岩石質と同定した微粒子の初期分析(※2)を実施中です。この度、その一部の結果(中間結果)を米国で開催中の第42回月惑星科学会議で発表しましたので、お知らせします。
※1 サンプル収納容器内部は、サンプルキャッチャーA室及びB室と呼ばれる2つの部屋に分かれています。
※2 初期分析とは、キュレーション作業(※3)の一環として、代表的なサンプル(試料)について、カタログ化(同定・分類・採番)に資する情報を得る為に行う分析のことです。
※3 キュレーション作業とは、サンプルの回収、保管、カタログ化、配分、及び、そのために必要な分析のことを指します。
資料1
- 新しいウィンドウが開きますLSPC はやぶさセッションプログラム(PDF:340KB)
資料2 初期分析中間報告サマリ
1月下旬より開始された「はやぶさ」カプセル内の微粒子の初期分析の結果、以下の事実が明らかになりました。
- 岩石質と同定された微粒子(0.03〜0.1mm)の3次元構造ならびに主要元素組成、酸素同位体比の分析結果により得られた物質科学的特徴は特定種の石質隕石の特徴と合致する。
- 宇宙風化作用の痕跡ならびに希ガスの分析結果から、微粒子はイトカワ表面に由来する事が明らかにされた。
- ひとつの岩石には複数の鉱物種が存在し、複雑な3次元構造をしている(写真参照)。
- 現在のところ、有機物の証拠は同定されていない。
2011年3月11日