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2008年度日本−ブラジル共同気球実験

2008年12月17日までの予定で実施していた2008度日伯共同気球実験は、悪天候等による作業の遅れから、搭載機器の最終的な調整を行うことが出来ず、天候の回復も見込めないため、2008年12月11日をもって実験を終了しました。(12月12日)



2008年度日本−ブラジル共同気球実験では、小型気球の測風気球3機と大型気球1機の飛翔実験を行う予定です。

実験の目的

実験番号 B08-07
気球 FB300A
目的

【気球搭載遠赤外線干渉計観測】(PI:大阪大学 芝井 広 教授)

遠赤外線干渉計による天体観測によって、星生成領域、原始惑星系円盤、銀河核スターバーストなど星間塵熱放射がきわめて重要な役割を果たしている天体について、秒角スケールの角分解能の撮像を行い、これらの天体の温度構造を明らかにし、これまで間接的にシミュレーションで検証するしかなかった星間塵雲の輻射輸送と密度構造を直接観測で明らかにする。

今回の実験では、名古屋大学が世界で初めて開発した遠赤外線干渉計の原理実証と性能確認を行う。基線長8m(分解能2.5秒角相当)の干渉計で、まず天王星あるいは土星の観測を行い、その後代表的星生成領域や著名な炭素星を観測し、星間塵雲の密度構造などを調べる。

この原理実証や性能確認の結果を踏まえ、2009年度以降には基線長20mの干渉計による天体観測を実施し、さらに将来的には小型高性能化した遠赤外線干渉計を科学衛星に搭載することを検討している。

本実験は2005年に締結された、ブラジル科学技術省、国立宇宙研究所、JAXA宇宙科学研究本部及び名古屋大学間のブラジルにおける大気球実験に関する協定に基づいて実施される。

(満膨張体積30万立方メートル、直径107.8メートル、搭載機器重量1,600kg。飛翔高度は32.7kmを予定)

実験概要

  1. 実験場所
    ブラジル連邦共和国サンパウロ州カショエイラパウリスタ
    INPEカショエイラパウリスタ研究施設
  2. 実験期間
    実験は以下の日時に、天候及び観測条件の整った状態で実施する。
    2008年11月17日(月)〜 12月12日(金)12月17日(水)
    ※天候及び観測条件が整わないため、実験期間を延長

気球の飛翔

気球は放球後、東風によって西方へと移動する。上昇範囲は放球地点カショエイラパウリスタより直径150kmの範囲内とし、飛翔範囲は西経44度から54度、南緯19度から27度のブラジル国内とする。飛翔時間は最大12時間程度である。

飛翔範囲

気球の飛翔範囲。★印(Cachoeira Paulista)より西方に飛翔

参考:気球構成図

気球構成図

2008年11月14日

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