宇宙航空研究開発機構 サイトマップ

TOP > トピックス > トピックス > 2007年 > 2007年度第2次気球実験、8月22日より開始

トピックス

2007年度第2次気球実験、8月22日より開始

2007年度第2次気球実験計画は、B300型1機、B80型1機、B50型1機、B5型1機の大型気球4機と、BU30型1機の小型気球1機の合計5機の飛翔実験を行う予定です。

実験期間(8月22日〜9月22日)中に計画されている実験は以下のとおりです。

1.B300-2(無重力実験システムの動作試験)

気球より供試体を自由落下させ、30秒程度の無重力環境を実現させるために落下体内部を二重カプセル構造とし、自由落下する内殻が外殻と衝突しないように制御を行う基礎データを取得する。2007年5月の実験に引き続き、本実験では30秒程度の無重力継続時間を目指し、高速域での姿勢安定のため尾翼を装着する。
(体積30万m3、直径90m、重量435kg、到達高度41.5km、観測機器重量410kg)

2. B80-10(気球搭載望遠鏡による金星大気観測)

気球高度からの惑星大気光学観測は、シーイング、大気透過率、観測ウインドウ、コストなどの観点で地上大型望遠鏡に匹敵する観測が期待できる。極域での気球による24時間以上の惑星連続観測の予備実験として、気球搭載惑星望遠鏡システムの性能と、金星大気循環パターンの検出を確認することを目的とする。本実験は2007年5月に実施予定であったが実験実施上の都合により9月期に延期したものである。
(体積8万m3、直径59m、重量257kg、到達高度34.5km、観測機器重量375kg)

3. B50-50(自律制御降下システム性能試験、スーパープレッシャー気球用燃料電池の実証フライト)

2007年5月に実施予定であったが上層風の状態が飛翔に不適当で延期した気球実験終了後に観測器を海上に降下させる際に、パラフォイルを用いて安全かつ確実に回収が可能な場所に自律制御により誘導降下するシステムの性能試験を行う。あわせて開発を進めているスーパープレッシャー気球用燃料電池の性能試験を実施する。
(体積5万m3、直径50m、重量127kg、到達高度36.9km、観測機器重量150kg)

4. B5-140(姿勢制御システム性能試験)

気球実験汎用のインフラストラクチャとして開発を進めている姿勢制御システムの性能試験を行う。この姿勢制御システムは天体望遠鏡観測などの気球実験に不可欠なシステムであり、デジタル制御により1度以下の角度制御を目標とする。またパラフォイルによる自律制御降下システムの性能試験も実施する。
(体積5,000m3、直径23m、重量45kg、到達高度28.3km、観測機器重量95kg)

5. BU30-5(成層圏オゾン・大気重力波の観測、水晶気圧計の性能実証試験)

上部成層圏オゾンの太陽11年周期変動に同期した長周期変動などの年々変動、フロン撤廃による塩素化合物の減少によるオゾン濃度の変動、及びオゾン高度分布の小規模構造の特徴とその成因を明らかにし、地上から下部中間圏までの大気現象の物理を観測する。同時に計測圧力範囲が大気圧から中真空までという近年開発された水晶気圧計の精度と実用性の実証を行う。
(体積3万m3、直径42.7m、重量22kg、到達高度50km、観測機器重量3kg)

【気球の構成】

2007年8月20日

ISASメールマガジン

最先端の宇宙科学に従事している研究者の、汗と涙と喜びに満ちた生の声をお届けするメールマガジンに、あなたも参加しませんか?詳しくはクリック!