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特集

国際宇宙ステーションで高エネルギー宇宙の謎に迫るCALET

 国際宇宙ステーションは,人類の宇宙に対する理解や宇宙での活動を画期的に発展させることを目的としています。我々はその一環として,これまでの宇宙観測ではまだ行われたことのない高エネルギー宇宙線,ガンマ線の観測により,新しい宇宙像を発見することを計画しています。宇宙線やガンマ線は,宇宙のどこかで高いエネルギーに加速され地球に降り注ぐ粒子で,それらの起源を解明することは,宇宙を理解する上で最重要な課題です。

 高エネルギーの宇宙線やガンマ線の源として候補に挙げられている超新星残骸,パルサー,宇宙初期の銀河などは,これまでの電波やX線の観測により,星や宇宙の進化において重要な役割を果たしていることが分かりつつあります。宇宙線の起源としては,このほかにまだ発見されていない暗黒物質が有力な候補とされており,その探索も重要な課題です。

 しかし,このような観測には非常に精度の高い大型の観測装置が必要であり,国際宇宙ステーションの利用が不可欠です。我々が計画しているCALET(図)と呼ばれる観測装置は,世界でも最高の性能を持ち,日本,米国,イタリア,中国の20の研究機関(56名の研究者)の参加により,2012年ごろの打上げを目標に計画を進めています。



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図 国際宇宙ステーションにおけるCALETの宇宙線観測


(鳥居祥二[神奈川大]ほか,CALETチーム)
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