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特集

惑星宇宙望遠鏡TOPS

 惑星大気の気象現象や惑星を取り巻く磁気圏が形成・維持され,時には大きく変動する仕組みを解明するためには,探査機を惑星に送って直接探査するとともに,望遠鏡による遠方からの連続的な観測が有力な手段です。しかし,地上からの観測では,地球大気の影響で紫外線などの光は吸収されて観測できませんし,観測機会は天候に大きく左右されてしまいます。

 そこで私たちは,地球を周回する小型人工衛星を利用した,惑星観測専用の宇宙望遠鏡TOPS(Telescope Observatory for Planets on Small-satellite)の開発を進めています(図1)。望遠鏡の反射鏡は直径30cmとハッブル宇宙望遠鏡に比べれば超小型ですが,空気の影響がない宇宙環境を活かすと,紫外線から赤外線まであらゆる波長で,地上の大望遠鏡に匹敵する精細さで,天候や時間,季節の制約なく撮影することができます。



図1
図1 地球周回軌道上の惑星宇宙望遠鏡TOPSの想像図


 この計画が実現すれば,これまでの惑星観を一変させるような成果が得られると期待されます。例えば,これまでほとんどデータのない木星オーロラ(図2)の時間変化をとらえることにより,太陽風と木星磁気圏の不思議な関係に迫ることができます。また,気象衛星による雲写真のように鮮明な金星や木星,土星の雲画像は,「惑星気象学」という新しい研究分野の進展に大きく貢献するでしょう。さらに,惑星から宇宙空間へ流れ出している大気の撮影も目指しており,成功すれば,その量やメカニズム,ひいては惑星大気の変遷の解明に役立つと期待されます。


図2
図2 ハッブル宇宙望遠鏡によって観測された木星の紫外線オーロラ(NASA提供)


(高橋幸弘,坂野井健,吉田和哉[東北大],
田口 真[極地研],山崎 敦[東北大],TOPS検討グループ)
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