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ISASメールマガジン 第434号
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ISASメールマガジン 第434号 【 発行日− 13.01.15 】
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★こんにちは、山本です。
14日の成人の日は 関東地方も雪景色になりました。
9時過ぎからは、「大雪・風雪・着雪 注意報」が出されていました。
15日は「晴れ」ですが、今度は「放射冷却」で道路がツルツルです。
滑ってケガをしないように、足元に注意して歩かないと……
今日は、見学者も少ないかもしれません。
今週は、宇宙物理学研究系の櫨 香奈恵(はぜ・かなえ)さんです。
── INDEX──────────────────────────────
★01:一若手研究員の雑記
☆02:「あかり」による大マゼラン雲の赤外線天体カタログ、世界へ向けて公開
☆03:第2回「はやぶさ」サンプル国際研究公募を開始
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★01:一若手研究員の雑記
私は赤外線天文衛星「あかり」を打ち上げた赤外線天文学の研究室に所属しています。
「あかり」って何?
と思われる皆様には、広報用に2011年7月の宇宙研特別公開で配布した、「赤外線天文衛星あかりちゃん」という漫画を是非読んでいただきたいと思います(私がネーム担当)。
⇒ http://www.ir.isas.jaxa.jp/AKARI/Outreach/manga/AKARIchan1.pdf
これは、あかりちゃんの打ち上げから観測開始までのすったもんだを書き連ねたお話です。
衛星の擬人化キャラ「あかりちゃん」、宇宙研の擬獣化キャラ「宇宙犬」が登場しますが、内容は極めてノンフィクションな作品になっています。ISASメルマガのバックナンバーにも中川貴雄教授や川勝康弘准教授の記事で同様のエピソードが載っています。
第086号:「あかり」の目が開(あ)いた!
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2006/back086.shtml
第379号:あかり開眼!
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2011/back379.shtml
上記2つのISASメルマガは、本当にその時その場にいた当事者目線の物語。いっぽう漫画は、打ち上げ時はまだ宇宙研にいなかった私が伝え聞いた、しかし「あかり」目線の物語。
同じエピソードのはずなのに書き手によって全然違うので、全部読むと、ちょうど補完され、手に汗握る興奮をより深く味わうことができます。ISASマガジンは読めば読むほど興味深いです。
そんなあかりちゃんも5年以上にわたる観測を終え、2011年11月24日に衛星の運用を終了しました。
次の衛星は、皆様ご存知のあの「SPICA(スピカ)」です。ご存知ない方も大丈夫です。ISASメルマガのバックナンバーをご覧ください。
第255号:ふたつのスピカ研究会
⇒ http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2009/back255.shtml
私は、2012年4月から、SPICAの研究員として働いております。今まさにSPICAを飛ばさんとする、渦中にいるわけです。
私はSPICAに搭載予定の観測装置のうちの1つである、「コロナグラフ装置」の研究開発をしています。この装置は太陽系以外の惑星(系外惑星)を直接撮像&分光することに特化した観測機器です。
皆さんは、
太陽系以外にも惑星があるのか?
それは太陽系とそっくりか、全然違うのか?
どうやって生まれてどうやって進化するのか?
そこに生命はいるの??
ということを考えたことはありませんか?
天文学者は、太陽系以外にも惑星があるはず! と考えて、もし星の周りに惑星がまわっているなら、星はその惑星の影響で揺さぶられてみえるはず!と仮説をたてました。そして星を観測し続け、ようやく1995年に初めて太陽系以外の惑星の存在を確認しました(Mayor & Queloz 1995)。
上記のような間接的な観測手法により、系外惑星が存在することは確実となっています。ただし、それがどんな惑星なのか、詳しい特徴はまだよくわかっていません。
系外惑星の特徴を詳しく調べるためには、系外惑星を「直接」観測する必要があります。しかし、中心の星はとても明るいので、すぐそばにある暗い惑星はその明るさに埋もれてしまい、見分けるのがとても難しいのです。
2008年以降、ようやく直接検出が可能になってきましたが、主星からの距離がうんとはなれた惑星ばかりです。
例えば、フォーマルハウトbという系外惑星は、中心星からの距離が、太陽と地球の距離の100倍以上離れています(Kalas et al., 2008)。
いっぽう、太陽系のような中心星の近くの惑星をみるためには、特殊なマスクを使うなどして、まぶしい主星の光を弱めてしまえ!という望遠鏡側の工
夫(=コロナグラフ装置)が必要になります。
私の仕事は、コロナグラフ装置の研究開発をさらに発展させ尽力することで、SPICAコロナグラフ搭載を実現する一助になることなのです。
そんなこんなで、1年が経とうとしています。衛星を打ち上げるということがどういうことか、ようやくおぼろげながら見えてきたところです。
SPICAのように衛星計画は、失敗のリスクをできる限り低減し、目的の観測ができる望遠鏡だとみんなが確信して打ち上げる必要があります。
今日もまた、それを実現させようと、宇宙研にいるいろいろな人が頑張っております。
リファレンス:
Mayor & Queloz, Nature, 378, 355 (1995)
Kalas et al., Science, 322, 1345 (2008)
(櫨 香奈恵、はぜ・かなえ)
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※※※ ☆02以降の項目は省略します(発行当時のトピックス等のため) ※※※