本日の運用も,IKAROSからの応答は確認できませんでした.

IKAROSが冬眠モードに入って半年が経過しました.
夏本番を迎える賑わいの中で,いまだIKAROS運用には長い冬が続いています.
それでも春は訪れると信じ,運用を続けております.

スペアナデータと にらめっこ,という点では,
ノイズに埋もれそうなIKAROSの電波を何とか読み取っていた半年前も同じでした.
しかし,そこに有意な情報が見えるかどうかで,心持ちは全然違ってきます.
ノイズだけのデータを監視し続けるというのはつらいものです.


探索運用中は,そんなやりきれない時間が続くのですが,
今日は身体的にも疲労が来ていたこともあって,個人的にはかなりきつい運用でした.
というのも実は昨日,久しぶりにセイルを切ったり巻きつけたりする「膜作業」を
一日かけて行った関係で,身体の節々に疲労が,そして筋肉痛になっていたりします.
...ふふ,翌日に筋肉痛になるのは若い証拠さっ!

と,前向きに考えたのはさておき,IKAROS探索運用と並行して,
ソーラーセイルの基礎実験や研究というのも,着々と進行しております.
今回行った膜作業も,次期ソーラー電力セイルのセイル設計をにらんだ研究の一環です.
機械化なり何なり,快適に膜作業できる方式を見出すのも,課題の一つです.

ちなみに今回扱ったセイルは,一辺の長さが25メートルもある,
IKAROSよりも大きなサイズのセイルでした.
次期ソーラー電力セイルミッションで検討中のサイズは,
これよりさらに,長さにして2倍以上,面積にして4倍以上になります.
どうやって扱うんだろう...と,IKAROS探索同様にこちらも日々思案している次第です.


と,前置きを述べた上でご案内ですが,
7月27日(金)と28日(土)はJAXA相模原キャンパスの特別公開となります.

IKAROS・ソーラーセイル関連の展示は,第1会場(研究管理棟,A棟)の2Fで行われます.
「宇宙帆船イカロス」「宇宙帆船による太陽系探査」の2つの出展を行っています.

昨年までのIKAROSの成果に加え,逆スピン運用結果や今進めている冬眠運用の紹介,
そしてさらにIKAROSの次の「ソーラー電力セイルによる木星圏探査」に向けた研究について
紹介する展示を充実させていく予定です.

その他展示・コーナー予定としては
・「IKAROS」のPM展開機構,PMセイル膜面の展示
・「IKAROS」の歴代のセイル試作品の展示 ← NEW!!
・ポリイミド材料,薄膜太陽電池などの展示
・セイル折り紙コーナー
・ソーラーセイルゲームコーナー
・ソーラーセイルクイズコーナー ← NEW!!
などを考えております.
(いまだ思案中です...あと2週間なのに!!)

開催案内等については以下のリンクをご参照ください.

ISASwebサイトからのご案内→
www.isas.jaxa.jp/j/topics/event/2012/0727_open/index.shtml

日本全国津々浦々,世界各地から,
たくさんのかたにご来場いただけるよう,お待ちしております.
Blogだけでは伝えられないことをお見せできればと思います.

そして,次回の運用は7/26(木),特別公開の前日の予定です.
いい報告ができるよう祈るとともに,できる限りのことを進めてまいります.(Y2)


※以下の軌道情報は,参考値です.
7/12のIKAROS
太陽距離: 0.81AU
地球距離: 211807500km, 赤経=74.8°, 赤緯=20.8°
金星距離: 1.42AU(145545501km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.81AU
Earth Distance: 211807500km, RA=74.8deg, Dec=20.8deg
Venus Distance: 1.42AU(145545501km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg