IKAROSで実証している「ソーラー電力セイル」は
木星やトロヤ群小惑星といった外惑星探査をターゲットに考え出された
日本独自のアイデアです.

しかし,それだけではありません.
IKAROSの技術のいくつかは,超小型衛星にも応用できます.

超小型衛星は「CubeSat」の登場で一気に注目されるようになりました.
大学生が自分たちの手で10cm角の衛星を作り上げ,運用も行います.
IKAROSは金星探査機「あかつき」と相乗りで打ち上げてもらいましたが,
複数の超小型衛星も一緒に打ち上げられました.
そこで,超小型衛星の高機能化案について,2回に分けて紹介しましょう.

「薄膜太陽電池による電力確保」
通常,衛星は電力を得るために,構体に太陽電池を貼り付けています.
より大きな電力を得ようとすれば,太陽電池パドルを展開します.
しかし,サイズの小さい衛星でこれを実施するのは大変ですので,
薄膜の太陽電池を広げるということが提案されていました.
IKAROSはまさにこれを実証したと言えます.
ただし,IKAROSでは姿勢を乱さないように膜をゆっくりと展開する方法を
採用しているため,展開機構が比較的複雑です.
一方,IKAROSでは,万が一,膜が展開機構に引っかかった場合に備え,
膜の拘束を解放して,一気に遠心力で広げるというバックアップ展開を
用意していました.
バックアップ展開だけであれば展開機構は非常にシンプルになります.
超小型衛星で追加の電力を得るため薄膜太陽電池を広げる場合には,
このような展開方式が候補になると思います.(O)


8/25のIKAROS
太陽距離: 1.00AU
地球距離: 31285520km, 赤経=-131.2°, 赤緯=-28.0°
金星距離: 0.49AU
姿勢:スピンレート=1.3rpm, 太陽角=26.0deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 1.00AU
Earth Distance: 31285520km, RA=-131.2deg, Dec=-28.0deg
Venus Distance: 0.49AU
Attitude: Spin Rate=1.3rpm, Sun Angle=26.0deg

今日は何の日?:
 あっ,日付が変わって誕生日だー! v(^_^)v