前号へ 次号へ 宇宙科学企画情報解析センター ISASホームページ バックナンバー


第32号 1996年6月5日発行

目次


先頭へ


 

新SIRIUSシステム
(第2回 高速LAN結合型分散システム)

 新SIRIUSシステムの構想は、多数のUNIXワークステーションを高速のLANで結合して一体化し、これに大容量のデータ格納装置を接続して巨大衛星データベースシステムを構築しようとするものです。下の図は、そのシステム構成図です(現在この小規模システムで試験中)。便宜上それぞれのワークステーションシステムを機能別に〜サーバと言う呼び方をしています。マスタサーバはシステム全体を管理すると共にデータのバックアップを行います。スレーブサーバは各衛星データを実際に管理格納するワークステーションで、データ量やシステムの負荷率によって割り当て台数が決められます。基本処理サーバは、SIRIUSにデータを格納する時の入り口となる部分で、衛星観測データはこのサーバ(複数のワークステーション)によって一次処理され、誤り訂正やそれぞれの衛星固有の処理がなされ、最終的にSIRIUSデータベースの形式にデータを整えます。CPUサーバは、X端末等から直接SIRIUSデータベースを使用する場合の入り口となりますが、通常は、スレーブサーバから利用者のワークステーションに直接データが転送されます。この様に新SIRIUSシステムは多数のサーバ(ワークステーションシステム)から構成されていますが、利用者側からは一つのシステムとして見えます。簡単に言えばSIRIUSスーパーコンピュータが一台あると言う感覚です。さて、新SIRIUSシステムの最大の課題は、上記サーバ間や利用者ワークステーション間をいかに高速にデータ転送出来るかにあります。そのため、各サーバ間はCDDI(FDDIの光ファイバーをツイストペア線に変えたもの)の100Mbpsに接続しています。現在データ転送試験を行っていますが、2台のSunワークステーション(hiper SPARC 150 MHz, Solaris 2.4 UNIX OS)間でのファイル転送速度は、4.6〜4.9Mbytes/sの性能が出ています。データ転送速度は、ワークステーションのCPU速度に大きく依存しますが、CPU速度は年毎に高速化されており新SIRIUSシステムの構築そして強化に明るい見通しが立っています。



(加藤 輝雄)


先頭へ


 

宇宙研ニュースサーバのご案内

 インターネットの発展とともにネットワーク上にも様々な情報が流れるようになりました.その一つとして,世界規模の超巨大電子掲示版とも言えるネットニュース(Usenet)があります.この度,宇宙研でもネットニュースのサーバを立ち上げ,皆さんに御利用頂けるようになりました.宇宙研のニュースサーバのホスト名は
 PARIS.ISASLAN1.ISAS.AC.JP
で,所内LANであれば,どこからでも購読できるようになっていますので,是非御活用下さい.簡単な利用方法等は,近日中にWWWサーバ上 (http://www.pub.isas.ac.jp/net/news/)に掲載する予定です.

 ネットニュースは普通のニュースとは異なり,一般の人の投稿で成り立っています.特別な記者も編集者もいない場合が殆んどで,世界中の様々な場所から様々な分野の記事が投稿され,世界中で購読されています.

 一方,宇宙研独自のニュースグループも,次のようなものが用意されています.

isas.comp 計算機・ネットワーク関係の記事 (質問も大歓迎です)
isas.comp.fmv 高機能端末関係の記事
isas.comp.msp MSPシステム関係の記事
isas.comp.unix UNIXシステム関係の記事
isas.misc その他一般の記事
isas.test テスト投稿用

 こちらに投稿された記事は宇宙研の所内LANからしか見えません.つまり,所内の皆さんからの記事が全てとなっていますので,いろいろな話題・質問等を気軽に投稿して盛り上げて頂ければと思います.現在は計算機・ネットワーク関連のグループが多くなっていますが,皆さんの御要望や投稿状況等を参考にしながら,新しいグループを作成して行く予定でおりますので,御意見・御要望・御質問等,お寄せ頂ければ幸いです.
(三浦 昭)


先頭へ


 

宇宙科学企画情報解析センター
計算機共同利用研究採択者決定

 宇宙科学研究所の飛翔体による宇宙観測と関連する計算機を用いた共同研究の平成8年度採択者が、この程決定致しました。
 この公募は、
(1)観測データの総合解析と
(2)計算機シミュレーションからなっており、
それぞれ、宇宙研の大型計算機(VPP500,GS8400)のほか、各地域の大型計算機センターも利用出来ます。採択者の総数は、41名で、(1)が5名(2)が36名でした。宇宙研の計算の使用総時間は約2000時間、各地域の大型計算機の使用料は総額250万円で、今年度の共同利用研究がスタート致しました。来年の3月31日まで、この共同研究は実施され、得られた結果等につきましては、適宜、宇宙科学研究所の関連シンポジウム等で、ご報告戴く事になっています。
(小原 隆博)


先頭へ


 

大型計算機に関するお知らせ

I.大型計算機の6・7月の計算機保守作業予定


※1 VPP500の緊急修正及びPTF UP作業のため, 定期保守作業と同時に行います。OSの一部に変更を行うため、ジョブの無い状態で作業をしたいのでイニシエータは6月14日(金) 9:00にクローズします。

※2 GS8400/20 のディスクのファームウェアの交換作業と停電対応の空調機制御盤の改修作業のため

※3 VX/2の7月の定期保守作業 TSS及びNQSイニシエータのクローズを15日(月)0時0分に行います。  

II.大型計算機利用の手引き完成のお知らせ  

 大変遅くなりましたが利用の手引きが完成し、6月中旬には皆様の手元に配布できるようになりました。     

 今回の完成はMSPとUNIXサーバ群の2種類で、2月に完成済の規則編・VPP500 の利用の手引きと合わせて4種類となりました。研究室とプロジェクト関係には一部ずつ配付しますが、多少残部がございますので必要な方は申し込んでください。

III.SIRIUSデ−タファイルの定期保守作業

 SIRIUSのデ−タファイルの定期保守を6月16日(日)9時から16時まで行います。(担当:加藤)
(関口 豊)


先頭へ


編集発行:文部省宇宙科学研究所
宇宙科学企画情報解析センター
〒229 神奈川県相模原市由野台 3 -1-1 (Tel 0427-51-3911,内線 2611)