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第31号 1996年5月7日発行

目次


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PLAINセンターの活動について

 3年前にPLAINセンターが創設されて以来、その活動の方向付け、機能向上、拡充にご尽力されてこられた中谷教授からこの度バトンタッチされることになりました。これまで観客席から見物していたところをいきなりグランドに引きずり出された感もありますが、微力ながらも全力を尽くす所存ですので、よろしくお願い申し上げます。

 昨今の情報革命の進展はめざましく、当センターでも、ネットワーク接続回線の増強、インターネットの WWW 宇宙研ホームページサービスの開始、衛星データベースの「新シリウス」の準備、公開用科学データベース DARTS (Database for ARchiving Transformed data of Scientific satellite) 構築の準備、中央計算機のリプレースなど、昨年度だけでも実に多彩なできごとがありました。1年間によくこれだけのことがこなされたもので、前センター長・中谷教授をはじめとするスタッフ一同の活動と多くの関係者のご協力に感謝する次第です。

 今年度は、まず、昨年度から開始/準備してきた上記の活動をきちんと軌道に乗せることが第一の目標です。特に、昨年度末に行われた中央計算機のリプレースでは、従来のセンター大型計算機の重視に代えてネットワーク強化に伴う分散処理化の方向に向かうことになりました。そのシステムの安定化をはかるとともに、資源を有効利用する必要があります。また、目前に迫ったM−Vで打ち上げられる衛星のデータベースは「新シリウス」になりますので、その準備も急ピッチで進めていきます。更に、DARTS では、まず「あすか」、「ようこう」の科学データベースの構築を開始し、できるだけ速やかに公開していく予定です。インターネットは管理部の方にもつながる予定であり、内之浦臼田三陸能代の宇宙研の遠隔施設でもインターネットを利用できるようにする予定です。今後ますます所内外のネットワーク接続回線の増強が必要となるでしょう。その他、従来から続けられてきた(旧)シリウス・データベースや工学データベースの構築、NASA/JPL との間のデータ伝送、等々についても滞りなく続ける必要があります。これらいずれをとっても、その推進のために皆様のご協力・ご支援を今後ともよろしくお願い申し上げます。
(センター長・向井 利典)


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大型計算機リプレース報告

 大型計算機のリプレースが平成7年度末に滞りなく行われましが、途中一部計算機が使えなかったこともあり、この間皆様にはご迷惑をおかけしました。今回リプレースの対象になった計算機は、衛星運用計算機とセンター汎用計算機(スーパーコンピュータ VPP500を除く)である。衛星運用計算機は、従来2つの計算機に分かれていたのを統合して、一台で従来とほぼ同じ程度の処理能力を持つ GS8400/10 と呼ばれる計算機で置き換えた。メモリーも 128MB に増強した。現在平均稼働率は45%程度であり、ピーク時には90%を越えることを考えれば現在の衛星運用に見合った能力の計算機といえよう。一方、データ処理・解析および科学技術計算一般に用いられるセンター汎用計算機として、3台導入された。1台は、従来の資産を生かすべく MSP で動く GS8400/20 で、二つの CPU を搭載したモデルである。総合性能はリプレース前の M1800 に比べて約 0.7 倍と言われている。今後計算機の OS は MSP から UNIX へ移行していくと思われるが、実際宇宙研での MSP 汎用機の稼働率も下がってきている。このような状況で、今回のリプレースでは、計算機の能力を下げたことをご理解していただきたい。また、他の2台は UNIX の計算機であり、1台はスカラー計算機としての位置づけでDEC alpha 8200 の4CPUモデルを、もう1台がベクトル計算機で VX/2 と呼ばれるものでスーパーコンピュータVPP500 と相補的に利用されよう。リプレース直後の計算機平均稼働率は、従来の VPP500 も含めて25%から50%程度に達しているが、残念ながら DEC alpha 8200 は未だほとんど利用されていないようである。一般に4月および5月の時期は稼働率が低いが、それがこの結果に反映しているのかも知れない。研究室にあるワークステーションに比べて、センター計算機は小回りが利かないかも知れない。ユーザの要望に応じてパブリックなソフト等を/usr/local の下に置くことも考えているので、要望があれば PLAIN センンターまでご連絡ください。
(星野 真弘)


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平成7年度宇宙科学企画情報解析シンポジウム報告

 平成7年度のPLAINセンター・シンポジュウムとして、「新しいネットワークの有効利用法」と題したシンポジウムを、平成8年3月22日(金)に宇宙科学研究所で行いました。講演者を含めて約50名の参加者があり、ネットワークに関する様々な問題が議論され、また、有益な情報を含んだ講演が数多くあったように思います。成功裏に終わったと考えています。また、このシンポジウムの案内は一部のネットワークに流しましたが、参加できなかったが題目及び講演者のリストを見て非常に興味があるシンポジウムだと思ったという声を多く聞きました。年度末ではなくもう少し早い時期に行えば、参加者はもっと増えたのではと悔やまれます。

 さて、最近のインターネットのブームは、Webの流行に負うところが多いと思います。コンピュータをほとんど使ったことのない人までもが、インターネットという言葉を知っています。我々の大学や研究所でも、ネットワークなしでは仕事が出来なくなっています。従来より UNIX、Macintosh、Windows など異なった計算機環境をネットワークで結ぶことは行われていましたが、誰でも手軽に情報にアクセス出来るわけではなかったと思います。しかし、Webとフレンドリーなソフトによって世界中に分散して存在しているデータに対して、手軽に情報が引き出せるようになってきました。ネットワーク時代になったと言えるでしょう。しかし、近未来はこんな程度でなくもっともっと楽しくなるぞ!と言う内容の講演が沢山ありました。例えば、以下のような講演がありました。1)高速ネットワークを利用して、画像データを如何に高速に高分解能で送るかという転送方式を開発しているグループの講演、2)数値シミュレーションで得られた画像データを、実際に東北大学と宇宙研の間で流し、少なくとも50Mbps 程度以上あればの解析はネットワークを介して出来るのではないかという講演、3)インターネットを実際に利用して情報公開を行っている活動報告、4)将来の国際共同研究プロジェクトでは、高速ネットワークの利用が不可欠であるという講演、5)高速ネットワークのサービス形態および可能な利用方法の講演など、色々と貴重な講演がありました。年度末でもありお忙しい中、ご講演を引き受けていただいた方々にお礼を申し上げます。
(星野 真弘)


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大型計算機に関するお知らせ

I. VX/2システム変更作業に伴う運用停止について

 VX/2システムでのNQS(Network Queuing System) 運用開始に伴 うシステムの変更作業と動作試験のため,下記の日時にVX/2の運用を停止します 。
作業日時 5月13日(月)8時から5月19日(日)まで

II. 大型計算機定期保守について

5月の定期保守作業は
5月20日(月)8時から13時まで GS8400/20, DEC Alpha の保守作業を行います。   
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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