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第30号 1996年4月9日発行

目次


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PLAIN センター運営委員会開催さる

 標記運営委員会が、3月25日に開かれました。当センターの運営を、所内9人、所外5人の先生方、それに管理部の方2人、総計16人より構成される委員により、審議していただくのが目的です。今回の主な審議内容は、平成7年度のビッグイベントの一つである中央計算機リプレース、サイエンスデータベース- DARTS の立上げ、ネットワークの強化、課金方式の見直し、計算機共同利用研究等でした。

 急速に進展する情報処理技術を背景に、分散化、ネットワーク化が進み、大学等の 計算機センターは、サービスの質に関して、基本的な変更を迫られています。そもそも、「大型計算機センター」が存続する意義から、考え直す必要がありそうです。今回の運営委員会は、このような観点から、可成り本質的な議論がなされ、PLAINセンターのスタッフ一同、大いに考えさせられたことと思います。  
(中谷 一郎)


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新SIRIUSシステム
第1回 大型計算機からWSシステムへ

 以前に大型計算機上のSIRIUSシステムについて紹介させて戴きましたが、今回から3回に分けて、現在開発を進めている新SIRIUSシステムの紹介をさせて戴きます。まず始めとして、なぜ大型計算機からワークステーションを主体とした新システムへ移行しなければならないのか、その背景からお話しすることにします。ここで言う大型計算機とはMSPオペレーティングシステムのメインフレームコンピュータのことです。大型計算機上の現在のSIRIUSシステムも開発中の新システムも衛星観測データを蓄積・管理し利用者に提供すると言う基本的な機能は全く変わりません。しかしながら、データの解析における計算機の利用形態は1982年にSIRIUSの原型が完成した当時とは、大きく変わっています。近年のワークステーションやパーソナルコンピュータの急激な進歩により大型計算機を中心としたデータ処理・解析からワークステーションを使用したデータの処理・解析へと一転したのです。現在のワークステーションは大型計算機に匹敵する能力を持っていますし、それに接続できる周辺装置もCD−ROM、DAT、8mmテープ装置と言った便利な装置からVHSやディジタルVTRテープを使用した大容量のデータ格納媒体まで開発されています。残念ながらこれらの装置は大型計算機とは直接的には接続できません。ソフトウエア面でも同様に大型計算機には無い便利な解析用ソフトウエアが続々と登場し大型計算機離れの一因となっています。この様に、現在の大型計算機はスーパーコンピュータは別として将来システムとしての存在価値が薄れているように思われます。とは言うものの今すぐに大型計算機を無くす訳には行きませんし、延々と築き上げて来たソフトウエア資産を無駄にすることも出来ません。ワークステーションへの移植は大きな問題です。当分大型計算機上のSIRIUSはそのまま残し、今後打ち上げる衛星データを新SIRIUSシステムで管理することを考えていますが、何れは全データを新システムへ移行しなければなりません。現在2テラバイト余のデータが大型計算機で管理され、年間400ギガバイトの割りでデータが増加しています。このデータを新SIRIUSへ移行することを考えると頭の痛い話です。しかし、観測データの取得量は今後急激に増加し、ASTRO−E衛星ではデータ取得量が現在の10倍になります。これに対応する為にもワークステーションを主体とした新SIRIUSシステムの開発は、急務です。新SIRIUSシステムの構想は、多数のUNIXワークステーションをサーバー機として一体化し、これに大容量のファイル装置を接続して廉価な巨大衛星データベースシステムを構築し、同時にアクセス速度の向上や利便性の向上を計ろうとするものです。大型計算機システムでの一番の悩みは高速アクセスの出来るハードディスクの容量を大きく取れなかったことです。大量のデータを効率的に処理するには、高速アクセス可能な媒体が絶対必要です。その容量に比例してシステムは効率的なものになると考えています。新システムでは、ハードディスクの容量を極力大きくしたいと思っています。ワークステーション用のハードディスクの価格は現在4GBで20万円程度です。容量あたりの価格は年毎に1/2程度になっています。これも大型計算機にはない魅力の一つです。
(加藤 輝雄)


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UNIX講習会報告

 大型計算機のリプレースに伴い、各研究室等に富士通製パソコンFMVをお配り致しました。そのため、これまでとは端末環境ががらりと変わり、今までのX端末や大型計算機端末になじんでいらっしゃった方々からは「使い方がよくわからない」等のご意見をいただきました。また、所内電子メール化等の作業が進むにつれて、所内の方々のネットワークへの関心やご質問もどんどん増してきました。このような状況に至り「所内でコンピュータに関する講習会を開く必要があるのでは」という意見も、多数寄せられました。過日3月4日〜3月15日「FMV・UNIXを始める会」と銘打って、第1回・第2回の講習会が開かれました背景には、このような事情がありました。今回の講習会は、パソコンにさわるのがはじめてといった方々を対象とした「はじめてコース」と、パソコン等は日常的に使っているがワークステーションのようなUNIXマシンも、もう少し使いこなしたいと思っていらっしゃる方々を対象とした「もっとUNIXコース」の2段構えの編成で、進められました。割り当てました時間は「はじめてコース」が3日間、「もっとUNIXコース」が2日間といったように、比較的長期に渡るようなものでした。このような時間配分に加え、ここ宇宙研では皆さんが計算機に触れる機会も結構多いのではないかとの内輪の判断から、「もっと〜」はある程度の受講者は望めるが「はじめて〜」に至っては閑古鳥が鳴くのではなかろうか?という心配がありました。ところが応募者は鰻登りに増えて、最終的に両コース合わせて90名を越える方々のご応募をいただきました。中でも予想に反して「はじめてコース」の応募者が50名近くにのぼり、受講者の人数調整に走り回るといった一幕もありました。ご応募くださった方々の中には技官、教官、事務官、さらには秘書の方々といったいろいろな層の方々がいらっしゃいました。実際の講習には、日頃からお世話になっている富士通の方々にお願いいたしまして、計算機リプレース等の年度末の大変お忙しい中を、時間を割いていただきました。多いときには「はじめてコース」で30名前後の初心者(?!)の方々がいらっしゃいましたので、質問等もかなりの数にのぼりました。講師の方のご苦労も偲ばれ、この場を借りてお礼申し上げます。このように第1回・第2回講習会は一応成功裏に終了しましたが、問題点もなかったわけではありません。対象の方にうまく合わせた講習内容、長期に渡った講習日程、一人当たりの講習用端末の台数、お知らせの不手際等々、かなりの課題が残されたと思います。今回にとどまらず、これより先にも同様の講習会開講の希望を、所内のユーザーの方々からいただきました。今回の経験を生かして、さらによりよいものにしていきたいと考えております。意見・感想等がございましたらご遠慮なくPLAINセンターまでお寄せください。
(長木 明成 )


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大型計算機に関するお知らせ

I. 大型計算機の4月・5月の保守作業予定


II.大型計算機4月・5月 連休の運転予定


III. システム・プログラムの相談窓口について

 システム・プログラムの相談窓口は、前年度も何回かお知らせしたとおり、原則としてSE高橋氏(内線2063) が受け、相談内容の切り分けにより各担当者が対応しますので御協力お願いします。

IV.グラフィックディスプレイ室の移動について

 今回のリプレース及びB棟ミッション運用室の確保に伴う部屋割りの見直しにより、2104室にあったF6242GDは2107室へ、またFIVIS-VSD 画像処理装置のリプレースされたグラフィックサーバとビデオサーバはA棟4Fサブステーションに、移動設置されました。
(関口 豊)


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編集発行:文部省宇宙科学研究所
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