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大気球実験B10-01 終了

2010年9月1日(日)4時48分に、気球を利用した超音速飛翔体の飛行実験を目的としたB10-01実験として、2010年度第二次気球実験の3号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積300,000m3の大型気球で、およそ毎分300mの速度で上昇しました。

気球は、放球2時間後に大樹航空宇宙実験場東方約40kmの太平洋上において高度37.6kmで水平浮遊状態に入りました。7時04分に指令電波により超音速飛翔体を切り離し、引き続き7時17分に制御機器部を気球から切り離しました。超音速飛翔体、制御機器部はそれぞれ大樹航空宇宙実験場東南東約40kmおよび70kmの着水予定海域に降下し、9時05分までに回収船によって回収されました。

本実験では、気球を利用して将来のスペースプレーン技術を習得する研究の一環として、音速以上に機体を加速する実験システムの実証と、スペースプレーン用に開発中のジェットエンジンや低毒性補助推進系の飛行状態での動作を確認することを目的としていました。超音速飛翔体を気球から分離した後、低毒性推進系の実験を実施し、引き続きジェットエンジン燃焼実験を開始しました。その後飛翔体の姿勢運動が計画の範囲を超えたため、安全に配慮して実験を中断し飛翔体を降下させました。この間に取得されたさまざまな実験データは、今後の研究に活用されます。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速:毎秒1 m、気温:摂氏21度でした。

放球直後

放球直後の大気球3号機と超音速飛翔体

2010年9月1日

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