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大気球実験B10-02 終了

2010年8月22日(日)5時12分に、成層圏大気のクライオサンプリングを目的としたB10-02実験として、2010年度第二次気球実験の初号機を連携協力拠点 大樹航空宇宙実験場より放球しました。この気球は満膨張体積100,000m3の大型気球で、成層圏大気を採取しながら上昇しました。

気球は、放球2時間30分後に十勝港東方約75kmの太平洋上において高度34.5kmで水平浮遊状態に入りました。その後気球は約2時間30分の間、西方に飛翔し、10時08分に指令電波により観測器を気球から切り離しました。切り離した観測器は十勝港東南東約25kmの海上にパラシュートで緩降下し、11時11分までに回収船によって回収されました。

本実験の目的は、液体ヘリウムを用いるクライオジェニック法で希薄な成層圏大気を固化して大量に採集するものであり、得られた試料空気は温室効果気体をはじめとしたさまざまな大気成分の濃度や同位体比の測定に供されます。成層圏大気の採集は、気球上昇中の14.6kmから30.0kmの間、水平浮遊高度および気球がゆっくり降下していた33.8kmから28.3kmの間に行われ、総計12本の試料容器に高度別の大気を採集することに成功しました。採集された大気試料は、本実験に参加する東北大学、東京工業大学、宮城教育大学、国立極地研究所などにおいて、最先端の分析装置を用いて詳しい解析が行われる予定です。

放球時の地上気象状況は、天候:晴れ、風速:毎秒2.5m、気温:摂氏21度でした。

放球台上に観測装置をセットする様子(JAXA格納庫内)

放球台上に観測装置をセットする様子(JAXA格納庫内)

気球にヘリウムガスを充てんする様子(JAXA格納庫内)

気球にヘリウムガスを充てんする様子(JAXA格納庫内)

放球位置にセットされた大気球B10-02

放球位置にセットされた大気球B10-02

放球直後

放球直後の大気球B10-02

2010年8月23日

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