TOP > トピックス > トピックス > 2008年 > 観測ロケットS-310-39号機:実験概要
観測ロケットS-310-39号機:実験概要
1.ロケットの概要
(1)ロケット名 : S-310-39
(2)ロケット全長 : 7.4m
(3)ロケット全重量: 0.7t
(4)到達高度 : 150km
2.実験場所
アンドーヤロケット射場施設(ノルウェー)
- 新しいウィンドウが開きますAndoya Rocket Range(アンドーヤ基地ホームページ)
3.実験期間
【実験予定日】2009年1月14日(水)18時00分
(現地時間。日本時間では1月15日(木)2時00分〜6時00分)
【実験時間帯】18時00分〜22時00分
【延期する場合の期間】1月15日(木)〜1月28日(水)
※実験時間帯は、今後の検討や現地の状況により変わる可能性があります。
最新の打上げ予定日時はこちらをご覧ください。
S-310-39実験班:アンドーヤ便り
4.実験観測の内容
『オーロラ活動に伴う極域下部熱圏の力学とエネルギー収支の研究「DELTA-2キャンペーン」』
4.1 実験の目的
下部熱圏と呼ばれる高度90〜150kmの領域では、オーロラ現象を引き起こすような高高度からのエネルギー注入(主に降下電子、ジュール加熱)に伴って大気が激しく複雑な運動することが最近の研究によりわかってきました。
2009年1月にノルウェーのアンドーヤロケット実験場で打上げ予定の観測ロケットS-310-39号機の実験では飛翔するロケット位置での大気の温度と風を観測するとともに、地上のEISCATレーダー、ファブリペロー干渉計を用いて電離したプラズマの温度や密度とより広範囲の大気の風を観測し、この領域の大気力学と熱エネルギー収支の解明を目指した下部熱圏総合観測を行います。
これはDELTA-2(Dynamics and Energetics of the Lower Thermosphere in Aurora) キャンペーンと名付けられました。同様なキャンペーン(DELTA-1)は2004年12月に行われており、今回は理解を更に深めるための第二弾という位置付けです。
実験方法
このロケットには窒素振動温度測定器、中性風観測のためのTMA放出器、ロケット姿勢検出のための星撮像姿勢計を搭載します。このロケットを上空にデュフューズオーロラが出現している条件のもとで打ち上げます。
打上げ時期は2009年1月です。時間帯としては月の出ていない夜間であることに加え、TMA発光観測のため天候が打上げ条件となります。
ロケット(アンドーヤから打上げ)の軌道と地上観測点(トロムソ、キルナ、アビスコ)の位置関係 |
5.観測項目と参加研究機関
ロケットの搭載観測機器とその測定項目は次の通りです。
略称 | 名称 | 測定項目 | 主担当 |
---|---|---|---|
NTV | 窒素振動温度測定器 | 窒素振動温度および密度 | 名古屋大学 |
IAF | 星撮像姿勢計 | ロケット姿勢情報 | 東京大学 |
TMA | トリメチルアルミニウム放出器 | 中性大気風 | クレムゾン大学(米国) |
TMA発光の地上観測は次の3地点で行ないます。
場所 | 担当 |
---|---|
アンデネス(ノルウェー) | クレムゾン大学(米国)、北海道大学 |
トロムソ(ノルウェー) | クレムゾン大学(米国)、北海道大学 |
アビスコ(スウェーデン) | 高知工科大学 |
また、主な地上観測装置と設置場所は次のようになっています。
名称 | 測定項目 | 担当 | 設置場所 |
---|---|---|---|
EISCATレーダー | 電子密度/温度、イオン温度、 イオンドリフト |
名大STE研、極地研究所 | トロムソ |
ファブリペロー干渉計 | 中性大気の風、温度 | 名大STE研 | |
4波長フォトメータ | オーロラ発光強度 | ||
全天カメラ | オーロラ発光分布 | 極地研究所 | |
流星レーダー | 中性大気の風 | ||
ファブリペロー干渉計 | 中性大気の風、温度 | ロンドン大(英国) | キルナ |
全天カメラ | オーロラ発光分布 | アンドーヤロケットレンジ | アンドーヤ |
ナトリウムライダー | 中性大気の風、温度 | ||
MFレーダー | 電子密度分布 |
2008年12月4日