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「はやぶさ」の取得したサイエンスデータアーカイブの公開について
2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」は、2005年9月に小惑星イトカワに到着し、約3ヶ月間に渡ってイトカワの観測や表面へのタッチダウンなどを行いました。
「はやぶさ」には、可視分光撮像カメラ(AMICA)、レーザー高度計(LIDAR)、近赤外分光器(NIRS)、蛍光X線スペクトロメータ(XRS)の4つの科学観測機器が搭載されています。これらの観測機器によって得られたデータにつきましては、まずは「はやぶさ」サイエンスチームで初期解析を行い、いくつかの論文として発表しました。それと同時に、一般に公開する準備作業も進めてまいりましたが、その作業がほぼ終了しましたので、2007年4月24日より「はやぶさ」のサイエンスデータアーカイブを公開いたします。このデータアーカイブでは、「はやぶさ」が取得した全サイエンスデータが公開されています。
※「はやぶさ」サイエンスデータアーカイブは、次のウェブサイトからアクセスすることができます。
(URL) http://hayabusa.sci.isas.jaxa.jp/
なお、これらのデータに関しましては、研究用として公開するものとなります。そのため、世界の研究者からのアクセスを考慮し、このウェブサイトは英文になっています。ご了承ください。
具体的には、以下のデータを取得することができます。
AMICA | 可視光から近紫外線、近赤外線における広帯域フィルターのカメラを使って撮像された画像データが約1600枚余り。小惑星イトカワの全体像や表面近接画像のほかにも、地球スウィングバイ時の地球・月の画像も含まれている。 |
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NIRS | 近赤外線波長域におけるスペクトルデータ。打上げ後から合計で約12万本のデータが取得されている。小惑星イトカワ表面の反射スペクトルデータが主であるが、地球、月、火星、木星、土星のスペクトルデータも得られている。 |
LIDAR | はやぶさ探査機から小惑星イトカワ表面までの距離を、レーザーを反射させて計測したデータ。小惑星表面にヒットした約170万点のデータが得られている。 |
XRS | 線CCDで取得されたX線スペクトルデータが約15,000本。太陽X線を励起源として発生した小惑星イトカワ表面の蛍光X線データが得られている。 |
SPICE | はやぶさ探査機の位置、姿勢データ。 |
Shape Model | はやぶさミッションで得られた小惑星イトカワの詳細な形状モデルの数値データ。 |
データの使用法につきましては、上記のウェブ内に記載されていますので、それをご覧くだい。研究などに広く活用していただければ幸いです。
※公開するサイエンスデータについて(補足)
- 「はやぶさ」のサイエンス機器が取得したデータについて、レベル1データ(最も生データに近いもの)をすべて公開します。
- 一部のデータにつきましては、補正(キャリブレーション)したり付加的情報を加えたりしたレベル2のデータも公開します。レベル2のデータにつきましては、今後も、準備ができ次第追加する予定です。
- レベル1およびレベル2のデータ以外に、詳細な形状モデルのデータも公開します。
- データに関する詳細な情報等も、今後、準備ができ次第追加する予定です。
参考:公開されたAMICAの画像より
注:ここの画像は、公開されたオリジナルの画像に対して見やすくなるような画像処理を施しています。
また、スケールや天体上の位置等の付加的情報はオリジナルのデータには含まれていません。
2007年4月24日