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トピックス

大気球を用いたソーラーセイル展開実験(B200-7)

宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
森治,西牧修平,松本道弘,岩倉淳,荒川将孝
芝崎裕介,花岡史紀,杉田昌行,津田雄一
志田真樹,川口淳一郎

実験目的

本実験では、大型なソーラーセイル膜の準静的な展開を実証する。これまでの膜面展開実験では、膜のダイナミクスモデルを確立するために、膜面を動的に展開していたが、本実験では、準静的な過程で展開を行い、展開機構を検証することが目的である。膜面はφ20m級の正方形である。大気球により上昇し、高度35km付近で実験を行うことによって、地上付近より大気圧を0.5%以下にでき、展開のための十分なスペースを確保することが可能である。

実験内容

実験装置はゴンドラとドラムからなる(図1)。ゴンドラに搭載されたモータ1でドラムを 20rpmで回転させて、ドラムに巻きつけられた膜面を展開する。このため、地上とゴンドラ外部通信だけでなく、ゴンドラとドラムの内部通信も行う。膜面展開は一次展開・二次展開に分けられ、一次展開はモータ2でオリを相対回転させることで、二次展開はリール機構を介してモータ3で膜面に取り付けられたテザー長さを調整することで、それぞれ準静的な展開を実現する(図2、3)。膜面展開の様子はカメラ1ー4に記録する。モータ1の反力は左右のスラスタで吸収し、ゴンドラの姿勢を一定に保つ。展開後にガスをリークさせて、ボンベを空にして実験を終了する。

サクセスクライテリア

図1 搭載機器

図1 搭載機器

 図2 一次展開

図2 一次展開

 図3 二次展開

図3 二次展開

2006年8月31日

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