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トピックス

「はやぶさ」のイトカワ撮像について

ゲートポジションからの撮像履歴

「はやぶさ」は、9月12日に、高度約20km のゲートポジションに到着して以来、9月中に、ほぼ赤道面の全方位からの撮像を行いました。

図は、イトカワに対して行われた撮像方向と、撮像距離を示したものです。ほぼ距離を保ってくまなく撮影されていることがわかります。

(イトカワの大きさは誇張されています。)

高分解能の画像などのweb公開について

  • 「はやぶさ」では、このように非常に多くの画像情報を取得しています。webの読者の方々からは、もっと高解像度の画像や多くの情報を提供してほしいとの声があります。
  • 幸いにも、「はやぶさ」はとても科学的に価値の高い貴重な観測データをたくさん得ています。しかし、とくに画像情報は、高解像度であればあるほど、そのまま科学的な解析に使うことができるため、不適切な解釈や見解を生む可能性があります。またプロジェクトは税金によってまかなわれているので、成果を正しくみなさまに還元していきたいと考えているところです。
  • 正しく装置の校正を行い、また科学的な推論や考察を行ったうえで、我が国の成果として公開をしてきたいと考えております。どうぞご理解をお願いいたします。

(「はやぶさ」プロジェクト)

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  • 地球に画像などの観測データを送信する場合には、パラボラアンテナを正確に地球に向ける必要があります。 しかし、一方では、イトカワを詳細に観測するためには、地球への伝送速度を犠牲にしてでも、ある期間は、観測器の視野の中心にイトカワをとらえなくてはなりません。
  • 観測と伝送を両立させるためには、「はやぶさ」のイトカワに対する相対位置を非常に精度よく制御する必要があるわけです。
  • この図は、「はやぶさ」がイトカワからみて地球方向からどれだけ離れたかを角度で示したものです。黄色の帯の中では、「はやぶさ」は高速の伝送速度を保ったままで、イトカワを視野の中心に据えて観測できています。

レーザ高度計と画像距離計測

  • 「はやぶさ」には、レーザ距離計が装備されていて、表面の起伏を 1m 程度の誤差で詳細に計測することができます。(図のLIDAR RANGE) 一方、自動的に探査機の位置をイトカワと地球に対して保つ機能も装備されていて、画像上のイトカワの照度(面積)を計算して、擬似的な距離情報を出力する機能があります。(図のONC-S)イトカワが自転するのにともなって照度が周期的に変化しています。
  • この図からわかるように、両者は非常によく相関していて、良好な計測ができていることがわかります。

2005年10月3日

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