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ワイヤレス・マルチチャンネル測温システムの共同開発について

宇宙航空研究開発機構と宇部興産(株)機能品・ファインカンパニーは、宇宙環境を模擬した熱真空試験において使用可能な、ワイヤレス・マルチチャンネルタイプの新しい温度計測システムの共同開発を行いました。
このシステムは、半導体温度センサーと小型送受信機を組み込んだセンサユニットと、データ取得、処理を行うデータロガ(ベースユニット、データハンドリングユニット)から構成しています。1つのセンサユニットにはデイジーチェーン接続により、25個までの温度センサーが取付け可能で、複雑な形状の温度計測にも対応できます。センサユニットを追加することにより、1台のデータロガ で最大3200点の温度計測が110秒間で行えます。
システムの特徴はワイヤレスでシンプルな構成でありながら、マルチチャンネルの温度計測を可能にしていることです。このシステムを宇宙機の熱真空試験に適用することにより(右図)、技術面では熱電対ケーブルによる熱損失が無くなり、熱設計の信頼性が向上し、また、製作面では熱電対配線用図面の簡素化と貼付け作業の短縮化により、製作コストの低減化が図られます。加えて、設備面では従来の熱電対用データロガやフランジ等が不要になり、計測の信頼性の向上と設備経費が安価になる、等のメリットがあります。
熱真空測温システムは宇宙使用に限定することなく、温度計測の立場から広く一般に活用できるシステムであると考えています。

JAXA宇宙科学研究本部

2005年9月2日

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