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M-V-6号機の第2組立オペレーション無事終了

M-V-6号機の機体はまず第2段計器部と第3段モータを結合した状態でM組立室のクリーンブース内に運ばれ、第2段、第3段計器部に灯を入れた状態で頭胴部動作チェック/タイマテストが行われた。相模原で搭載機器同士を配線で繋いだ状態での噛み合わせ試験を前もって行っているので、搭載機器単体の問題点は起こらない筈と考えられるが、なぜか内之浦に運び込むと不具合が出る事も過去には散見された。 これらは、
(1)実際にロケットが組み上がり計装配線のはい回しが変わった事でケーブル間の干渉の出方が変化する、
(2)モータとの結合、段間ケーブルとの接続によってグラウンド周りの状態が変わった、
(3)電波を放射する機器からの干渉の受け方が変化した、
等の様々な要因で発生すると考えられるが、一番大きな違いは、
(4)相模原と内之浦では、ごく一部の設備を除き、地上系設備そのものが入れ替わってしまう、
(5)内之浦では物理的な位置関係により配線の長さが長くなったり、電源のグラウンド周りの状態がそもそも変化してしまう、
と言う点である。勿論最終的な打上形態ですべての機器が良好に作動することが条件であるのは言うまでもない。

その後頭胴部を整備塔まで運び、第1段、第2段モータと結合された。これがロケットとして最終的に組み上がった状態となる。
この状態で、全段搭載機器に灯を入れ、動作チェック/タイマテストが行われた。一段目搭載機器が参加するので、それに起因する不具合がないかどうかを入念にチェックする。これがいわば第2関門であるが、これも無事通過した。
その後、ロケットの頭脳とも言うべき慣性誘導装置と各種姿勢系アクチュエータとの間で指令と実動作との不整合がないかどうかを極性も含めてチェックするCN系配線チェックが行われた。この第3関門も目出度く通過し、これでロケット系としてはすべての動作が正常に行われる事が確認できた。

なお、ASTRO-EII衛星が内之浦に到着後、第3段計器部の上に衛星を結合する必要があるため、事前準備と保管状態を考慮し、頭胴部を再度取り外し、クリーンブースに戻して収納した(3月22日)。

以上をもってM-V-6号機の第2組立オペレーションは無事終了した。関係者一同の見事なチームワークに感謝。あとはフライトオペレーションで衛星を実際にロケットに搭載し、今度こそ無事宇宙空間に送り出してあげる事が我々ロケット関係者の使命であると考えている。

2005年4月6日

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