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BepiColombo/MMO
第1回サイエンスワーキンググループ会合及びフェーズB移行前審査終了

 BepiColombo計画は、JAXAが水星磁気圏探査機MMO(Mercury Magnetospheric Orbiter)、ESA(欧州宇宙機関)が水星表面探査機MPO(Mercury Planetary Orbiter)を分担する初めての本格的な日欧国際共同計画であり、JAXAとESAの国際協力の中心を担うプロジェクトである。 BepiColombo計画は、ESAコーナーストーンミッションの1つとして位置付けられており、ESAの最も重要なミッションの1つであり、JAXA においても同様である。両探査機は、一体で「ソユーズ・フレガート2B」ロケットで打ち上げられ、水星到達後に分離し、協力して観測活動を行う。打上げの平成24年度(2012年4月)に向けて、平成17〜18年度のフェーズB(衛星試作フェーズ)、平成19〜21年度のフェーズC/D(衛星製作フェーズ)、平成21〜22年度のJAXAにおけるMMO探査機の総合試験、平成22〜23年度のESAにおける全体総合試験を予定している。

 一方、MMO探査機の観測装置に関しては平成16年度前期に国際公募を行い、平成16年11月に5つの観測機器開発チームを国際評価委員会のもとで選定した。ESA側でも、MPO探査機に搭載する11の観測機器開発チームを選定した。平成17年3月7日には、日欧の機器担当者による第1回MMOサイエンスワーキンググループ会合を開催し、日欧の大学、研究機関、JAXAメンバーから構成される観測機器開発チームが参加し、システム検討の紹介、観測機器の開発状況、サイエンスの議論、マネージメント面の調整等を行った。第1回MPOサイエンスワーキンググループ会合は平成17年2月にESAにて開催されており、これら両探査機のワーキンググループの議論に基づき、平成17年3月16〜17日には、第1回サイエンスワーキングチーム(Science Working Team)会合がESAにて開催された。今後の観測計画の立案・実施は、この観測機器開発チームを軸とした日欧研究者で構成される「BepiColombo科学ワーキングチーム」で行われる。

 平成17年3月8〜9日には、JAXA BepiColomboプロジェクトのフェーズB移行前審査(MMO Preliminary Requirements Review)を実施した。中谷宇宙科学プログラムデイレクタを委員長として、プロジェクト外の宇宙科学研究本部内外のJAXAメンバー18人でレビューボードが構成された。また、ESAのBepiColomboプロジェクトマネジャーJan van Casteren氏を含むESAメンバーや日欧の観測機器開発チームもフェーズB移行前審査に参加した。平成17年2月3日にはフェーズB移行前審査のキックオフ会議を開催し、審査会までの1ヶ月程の間にシステム及びサブシステム単位のレビューを合計20回程度実施している。3月9日のフェーズB移行前審査で、レビューボードからフェーズBに移行してよいとの了承(endorse)を受け、BepiColomboプロジェクトは平成17年4月からフェーズBに移行する。なお、ESAではヨーロッパメーカ2社による競合的システム検討(Definition Study)を行っており、平成17年10月にはプライムメーカが選定される予定である。

(山川 宏)

2005年3月24日

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