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トピックス

「はやぶさ」遠日点通過!
〜太陽から史上最も離れた電気推進ロケット〜

小惑星探査機「はやぶさ」は、2月18日にその軌道において最も太陽から遠ざかる点である「遠日点」を通過しました。この時の探査機から太陽の距離は1.7天文単位で、電気推進ロケットを搭載した宇宙機としては、世界で最も太陽から遠方に到達したことになります。

太陽距離拡大に伴う太陽電池発生電力低下に呼応して昨年9月以降はイオンエンジン3台同時運転によるスロットリングを実施していました。10月半ばからはさらに出力を絞って2台運転を行い、12月からは1台運転を開始しています。

探査機から地球までの距離は2.1天文単位であり電波の往復伝搬遅延は約35分です。イオンエンジン噴射中の探査機の姿勢では、探査機から地球に送られてくるデータの回線速度は8bps(1秒間に8ビット)と非常に低速であり、情報量が極めて限られた状況で「はやぶさ」の自律性を最大限に活用した運用を行っています。

探査機から太陽までの距離は今後近くなるので、電力事情は徐々に改善していきますが、探査機から地球の距離は5月後半までだんだん遠くなるため、通信事情は回線速度と伝播遅延の両面でさらに厳しくなります。

2005年3月9日

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