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ASTRO-F 総合試験始まる

宇宙科学研究本部で開発中の赤外線天文衛星ASTRO-Fは、望遠鏡の不具合のために衛星組立てが中断していましたが、2月1日より、組立てと総合試験が再開されました。

ASTRO-Fは、極低温の液体ヘリウムを170リットル搭載し、これを使ってマイナス267℃に冷却した口径約70cmの望遠鏡で、星や銀河が出す赤外線を観測する衛星です。

2年程前に、極低温の状態で行われた振動試験で、望遠鏡の主鏡を支えている部分が壊れる不具合が起き、残念ながら打上げを延期することになりました。その後慎重に改修作業が行われ、昨年の夏には、改良した望遠鏡を使って再度極低温振動試験を行い、無事にパスすることができました。

これを受けて、一昨年10月から中断していた衛星の総合試験が、今年2月1日に再開されました。衛星本体は、昨年6月に点検を行って以来8ヶ月ぶりに電源が投入され、正常に動作していることが確認されました。2月28日には、液体ヘリウムタンクを備えた冷却容器(クライオスタット)に収められた望遠鏡部分と衛星本体が一つに合体し、試験が始まりました。クライオスタットには、すでに液体ヘリウムが入れられており、望遠鏡やその焦点に取付けられた赤外線観測装置は極低温の状態にあります。3月中旬に、赤外線観測装置も含めた衛星全体の動作試験が行われ、その後は衛星全体の振動・衝撃試験、熱真空試験等を経て、10月には衛星として完成する予定です。

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2005年2月28日

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