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ISASニュース

ISAS-京大宇宙ユニット共同研究シンポジウム開催される

No.370(2012年1月)掲載

2011年12月16日、京都大学宇宙総合学研究ユニット(以下、宇宙ユニット)と宇宙研(ISAS)の共同研究シンポジウムが開催されました。宇宙ユニットは京都大学の宇宙に関連したさまざまな分野の研究者を束ねた組織で、宇宙理学・工学の推進と、生命、環境、人文社会系科学など他分野との連携による新しい学問の開拓を目的としています。宇宙ユニットとISASは2010年度から、共同研究「宇宙環境の総合理解と人類の生存圏としての宇宙環境の利用に関する研究」を開始しました。この共同研究経費により京都大学に採用された3名の専任教員を中心として、「太陽物理学を基軸とした太陽地球環境の研究(理学分野)」と「宇宙生存圏に向けた宇宙ミッションデザイン工学に関する研究(工学分野)」の二つのテーマを柱とした研究を行っています。

今回のシンポジウムでは副題に「ISAS-大学間連携のモデルケースとして」を掲げ、共同研究成果の中間報告とともに、ISAS-大学間の連携の在り方に関する議論も行われました。具体的な成果報告としては、太陽観測衛星「ひので」と京都大学飛騨天文台の共同観測、金星探査機「あかつき」など深宇宙探査機への太陽活動予報やその影響評価、小惑星衝突回避ミッションの検討、小型科学衛星による深宇宙探査技術実験DESTINYミッションの軌道計画、微生物の惑星間移動の研究など、さまざまな研究の進捗状況が報告されました。また、最後に行った大学とISASの連携の在り方に関する総合討論では、宇宙ユニットのような宇宙研究者を束ねた組織を持つメリットを活かし、より多くの京都大学の研究者が積極的にISASのミッションに参加できるようにしてほしいという声や、研究はもちろんそれを活かした人材育成こそが大学の最大の使命だという意見、総合大学である京都大学にはこれまで宇宙科学に深く関わっていなかったような分野を含め宇宙科学の裾野をより広げるような役割を果たしてほしいという期待など、活発な議論が交わされました。

(京都大学宇宙総合学研究ユニットISAS共同研究部門専任教員/磯部洋明、浅井 歩、坂東麻衣)

シンポジウム終了後、ISAS忘年会に合流して。