TOP > レポート&コラム > ISASコラム > きぼうの科学 > 第8回:平らに成長する結晶 Facet実験
(ISASニュース 2009年5月 No.338掲載) | |||
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Facet実験用に製作した小型実験装置(供試体)には上記の石英ガラス製容器、そして温度計測・制御機能が組み込まれており、この供試体2個が円盤状のカートリッジの中に収められました(図2)。昨年11月、供試体カートリッジを搭載したプログレス補給船がバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。そして4月、若田光一宇宙飛行士による供試体カートリッジのSCOFへの取り付け作業の後、実験が開始されました。今後6月まで約3ヶ月にわたり、さまざまな温度、濃度を組み合わせた実験条件により、ファセット結晶成長過程を繰り返し観察します。
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このFacet実験によってファセット結晶成長過程が定量的に明らかになれば、実際の材料製造工程への応用が期待できます。また、天然の鉱物がどのようにしてできるかについても理解が深まると考えられます。さらに、「きぼう」でのファセット的セル状結晶と氷結晶の成長実験、そして以前から精力的に行われてきた金属の一方向凝固に関する宇宙実験で得られた知見をもとに、分子的に見て平坦な面から分子的に荒れた面にわたるさまざまな結晶の成長表面で起こっている現象を、総合的に理解することにもつながります。
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