今は、水星探査機Bepi Col omboの水星磁気圏探査機(MMO)と、金星探査機PLANET-Cに搭載するアンテナの開発をしていますが、MMOは厄介ですね。水星は太陽に一番近い惑星です。太陽との距離は、地球の3分の1ほどですから、アンテナへの熱入量も大きくなります。探査機搭載用のメインアンテナは普通、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されているような、おわん形をしています。電波を1点に集中させる点では有効な形状なのですが、同時に熱も集中させてしまうのです。そのような観点からMMO搭載用のメインアンテナにおわん形状は適していなかったので、私たちは構造的に焦点のない平面なアンテナを開発しています。