軟X線望遠鏡(SXT)

軟X線望遠鏡(SXT)
「ようこう」の軟X線望遠鏡は、X線反射望遠鏡とCCDカメラ(最近の
ホームビデオ等に内蔵されている撮像素子)により太陽コロナやフレア
を撮像する汎用の望遠鏡です。ミラーの性能は1970年代に活躍した
スカイラブに積み込まれた太陽X線望遠鏡をはるかに凌ぎ、空間分解能
3秒角(太陽表面上で約2000kmに相当)を達成し、さらに鏡面が
精密に加工されているため、コントラストの高い画像を得ることができ
ます。CCDカメラの全面には、数種の金属フィルターを備えたフィル
ターホイールがあって、100万度から数千万度までいろいろな温度の
プラズマからのX線放射を選択して観測できます。
軟X線望遠鏡 (光学系)

開口部から見た軟X線望遠鏡
軟X線望遠鏡の大きな特徴は、リング状の斜入射X線ミラーの光軸上に
可視光のレンズが置いてあり、X線画像だけでなく光の太陽像もほぼ同
時に取得できるように工夫してあることです。フィルターのいくつかが
ガラスでできており、これが光路上にあるとX線はガラスでシャットア
ウトされ、可視光の画像が得られるわけです。この工夫により、X線画
像と光画像の1秒角での重ね合わせが初めて実現しました。X線画像か
らはコロナの磁場の様子が、可視光の画像からはコロナ磁場の光球面上
での切り口である黒点などの様子がわかるので、この望遠鏡はまさに3
次元望遠鏡として働いているわけです。
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