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標準偏差と偏差値

分散、$\sigma^2$の平方根、$\sigma$標準偏差である。これは、確率分布が どれだけ平均の回りに集中しているかを示す量である。同じ平均$\mu$を持つ正規分布でも、 $\sigma$が小さい分布は「細く」、$\sigma$が大きい分布は「太い」ことがわかるだろう(図16)。 いつでも確率分布を$x$で積分すると1になることに注意。
Figure: 平均$\mu=15$, 標準偏差 $\sigma=1,2,3,4,5,6,7,8$の正規分布の比較。
正規分布を、横軸を平均$\mu$からのずれを$\sigma$を単位にして描いてみよう(図17)。 この図は、正規分布において、確率変数の平均からのずれが$-1\sigma$から$+1\sigma$のあいだにある 確率は68.26 %、というように見る。同様に、平均からのずれが$+2\sigma$よりも大きい確率は、約2.27 %であることがわかる。

Figure: 正規分布において、横軸を$\sigma$を単位として表したときの確率分布

ある確率変数が、どれだけ平均からずれているかを表すときに、「何々シグマ」という言い方をする。 たとえば、仮に日本人男性の身長の分布が165cmで、標準偏差が8cmの正規分布に従うとすると、 身長181cmの人は平均よりも2シグマ背が高く、それよりも背が高い人は、人口の中の約2.27 %である。 身長189cmの人は平均よりも3シグマ背が高く、それよりも背が高い人は、人口の中の約0.13 %である。

いわゆる「偏差値」は、平均を50, 1シグマを10としたときに、平均からどれだけずれているかを 示す指標である。たとえば、偏差値70というのは平均よりも2シグマ上位にいることで、それよりも 上位の人は全体の約2.27 %である。



Ken EBISAWA 2011-05-30