本日(12/14(水))もビーコン運用を行いました。
電力収支を保つため消費電力を最低限にしつつも、
太陽角だけでなく地球角も大きくなってきているため、
通信回線が確保できるかも気に掛けているところです。
前日のパスでは2,000コマンド近く送信しましたが、今日は穏やかな運用となりました。

さて、ビーコン運用はキャリア(搬送波)のピークを検波して
変調の有無(1/0)を識別しています。
臼田局で今回使っているのは、スペクトラム・アナライザとタイプが少し違う
位相も計れるネットワーク・アナライザの機種ですが、
X帯8GHz帯から70MHzに変換したIF(中間)周波数の信号を見ています。
スピンに伴うドップラシフトによりピーク周波数は今は10数秒周期で変動していて、
ノイズの影響でピークがあちこちに変動してしまうのを避けるため、
周波数分解能(RBW;Resolution Bandwidth)を広げていますが、ノイズも加わってしまうため、
1のデータで変調がある場合は明らかにノイズ・フロアに埋もれるものの、
0のデータで無変調の場合でもノイズの影響でピークが埋もれてしまい
1にも見えることがあるため、ピークが多少ジャンプしても0と見做すなど、
判読には引き続き苦労しています。
今日はアップリンクを上げている2way(コヒーレント)の時間帯と
上げていない1way(ノンコヒーレント)での読みやすさの違いも見てみましたが、
周波数変動幅が少ない1wayのほうが読みやすいのかも知れません。

そんなこんなですが、NanoSail-Dは大気圏に再突入していてミッションが終了したと
先月発表がありました。
今後はセイルを用いたデブリの再突入処理としても応用されるようですが、
様々な可能性があるようですね。
Ikarosも所変われば品変わるで今後様々な形で活用され得るとも思いますので、
今後の発展形が楽しみなところです。
ただ、Ikaros運用で培われる心眼(神眼?)は他では役に立たないか…。(H2)

12/14のIKAROS
太陽距離: 0.86AU
地球距離: 225772519km, 赤経=-132.9°, 赤緯=-15.2°
金星距離: 1.51AU(225440281km)
姿勢:スピンレート=-5.2rpm, 太陽角=49deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.86AU
Earth Distance: 225772519km, RA=-132.9deg, Dec=-15.2deg
Venus Distance: 1.51AU(225440281km)
Attitude: Spin Rate=-5.2rpm, Sun Angle=49deg