本日は,再生レンジを行った後に,モニタカメラ画像,薄膜太陽電池,GAP,ALDNの
データ再生を行いました.

先週の土曜日の運用で比較的大きくスピンアップしました.
一週間程度,噴射せずにレンジングを行って軌道がどのように変わるか評価しています.
この間に風車効果によりスピンレートが減少し,それに伴い姿勢が変わっていきますが,
その変化も見越して適切なタイミングでスピンアップすることで目標方向に軌道が制御
できるかという実験です.

さて,先日の特別公開では多数の人に参加していただき大変ありがとうございました.
ブースに来ていただいた方々にIKAROSの成果についてお話し,皆さんと一緒に,
宇宙ヨットのこれまでとこれからについて思いをはせることができ,とても幸せな時間
となりました.

あるカップルからは,はやぶさやIKAROS等に互いに興味を持ったことがきっかけで
お付き合いすることになったというエピソードを伺いました.
イカロス君が恋のキューピットになっていたとは,まったくの予想外で感動しました.
こういった交流ができるのも特別公開の醍醐味ですね.

ありがたいことに,絵本等にサインを書かせていただく機会が何回かありました.
とはいってもかっこいいサインをもっている訳ではないので,サインの代わりに
「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!」というメッセージを書かせていただいています.

これはもともとIKAROS打ち上げ前に行ったメッセージキャンペーンのキャッチフレーズで,
IKAROSに人が直接乗り込むことはできませんが,皆さんのメッセージをのせることで
世界初の宇宙ヨットの旅に一緒に出掛けましょう,という思いを込めていました.

しかし最近,このフレーズはもっと深い意味にもなりうると考えています.
前回のブログにも少し書きましたが,技術は失敗してもそこから教訓を引き出して改良する
ことで失敗を乗り越えられます.一方,成功した場合でも成果を取り込んで次の技術に反映
していくことができます.
「技術にとって,成功・失敗は最終的な結論ではなく,一時的な現象と見ることができます.
目標を持って挑戦し,結果を正しく評価・反映するということを繰り返すことで,技術は
ステップアップしていけると信じています.」
そしてこれは,技術に限ったことではないかもしれません.
思い切って,上記の「技術」を「人生」に置き換えても十分通じるのではないでしょうか?

太陽系をヨットに乗って旅するように,
皆さんの人生の旅が素敵なものとなりますように・・(O)


8/3のIKAROS
太陽距離: 0.93AU
地球距離: 105096452km, 赤経=67.0°, 赤緯=16.0°
金星距離: 1.49AU(222842407km)
姿勢:スピンレート=0.4rpm, 太陽角=2deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.93AU
Earth Distance: 105096452km, RA=67.0deg, Dec=16.0deg
Venus Distance: 1.49AU(222842407km)
Attitude: Spin Rate=0.4rpm, Sun Angle=2deg


P.S.
特別公開時までにいただいた差し入れです.
本当にありがとうございました.
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特別公開時にいただいたIKAROSグッズを紹介します.
(特別公開前に届いたグッズは相模原博物館の展示物として
 持って行ってしまったので,別途紹介したいと思います)
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