04/0823:12:28: 今日の IKAROS(4/8) - Daily Report - Apr 8, 2011
Category: Operation
Posted by: IKAROS
本日の運用では,推進系のヒータ温度の設定変更を行いました.
IKAROSではソーラーセイル以外に姿勢制御用の推進系として
「気液平衡スラスタ」を採用しています.
これは燃料を液体で貯蔵し,蒸気ガスを噴射するタイプで
「コールドガス」や「ホットガス」に比べ低圧かつ不燃で,
安全性の高い推進系といえます.
(詳しくは2010/9/28のブログを参照してください)
IKAROSでは,気液平衡スラスタが(液体燃料ではなく)蒸気ガスを
確実に噴射するための工夫として,タンクの温度よりも配管の温度を
高くして配管に蒸気ガスを満たしてから噴射しています.
しかし,IKAROSが太陽から離れるにつれ,熱環境が厳しくなり,
配管温度を目標値まで引き上げることができなくなってきました.
そこで,タンクと配管のヒータの設定温度を引き下げて確実に
タンクよりも配管の温度を高くするようにしました.
さらに,これに伴い,蒸気ガスの圧力が下がり,気液平衡スラスタの
推力が低下します.そこで噴射時間等を調節して,姿勢制御能力を
維持できるようにしました.
実は,上記作業はこれまでIKAROS自身が自律的に行っていたのですが,
遠日点(太陽から最も離れた点)に近づき,万全を期すために,
今回は最も適した値を手動で設定しました.
このように地道な運用を継続することによって,IKAROSでは世界で初めて
気液平衡スラスタを安定的に運用することに成功しています(O).
4/8のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 142431267km, 赤経=-45.1°, 赤緯=-16.3°
金星距離: 0.69AU(103604243km)
姿勢:スピンレート=1.3rpm
Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 142431267km, RA=-45.1deg, Dec=-16.3deg
Venus Distance: 0.69AU(103604243km)
Attitude: Spin Rate=1.3rpm
P.S.
今回の運用では,久しぶりにVLBIの試験も行いました.
VLBIアンテナは上部パネルに取り付けられていて,
下部パネルが地球の方を向いている期間はVLBI運用はできません.
まだ通信環境が厳しいとはいえ,9月と1月の2回の通信不可帯を経て,
VLBIの試験を再び実施できたことはとても感慨深いです!
IKAROSではソーラーセイル以外に姿勢制御用の推進系として
「気液平衡スラスタ」を採用しています.
これは燃料を液体で貯蔵し,蒸気ガスを噴射するタイプで
「コールドガス」や「ホットガス」に比べ低圧かつ不燃で,
安全性の高い推進系といえます.
(詳しくは2010/9/28のブログを参照してください)
IKAROSでは,気液平衡スラスタが(液体燃料ではなく)蒸気ガスを
確実に噴射するための工夫として,タンクの温度よりも配管の温度を
高くして配管に蒸気ガスを満たしてから噴射しています.
しかし,IKAROSが太陽から離れるにつれ,熱環境が厳しくなり,
配管温度を目標値まで引き上げることができなくなってきました.
そこで,タンクと配管のヒータの設定温度を引き下げて確実に
タンクよりも配管の温度を高くするようにしました.
さらに,これに伴い,蒸気ガスの圧力が下がり,気液平衡スラスタの
推力が低下します.そこで噴射時間等を調節して,姿勢制御能力を
維持できるようにしました.
実は,上記作業はこれまでIKAROS自身が自律的に行っていたのですが,
遠日点(太陽から最も離れた点)に近づき,万全を期すために,
今回は最も適した値を手動で設定しました.
このように地道な運用を継続することによって,IKAROSでは世界で初めて
気液平衡スラスタを安定的に運用することに成功しています(O).
4/8のIKAROS
太陽距離: 1.05AU
地球距離: 142431267km, 赤経=-45.1°, 赤緯=-16.3°
金星距離: 0.69AU(103604243km)
姿勢:スピンレート=1.3rpm
Today's IKAROS
Sun Distance: 1.05AU
Earth Distance: 142431267km, RA=-45.1deg, Dec=-16.3deg
Venus Distance: 0.69AU(103604243km)
Attitude: Spin Rate=1.3rpm
P.S.
今回の運用では,久しぶりにVLBIの試験も行いました.
VLBIアンテナは上部パネルに取り付けられていて,
下部パネルが地球の方を向いている期間はVLBI運用はできません.
まだ通信環境が厳しいとはいえ,9月と1月の2回の通信不可帯を経て,
VLBIの試験を再び実施できたことはとても感慨深いです!
