1/28の運用もIKAROSからの微弱な電波を解読することによって、健康状態の確認
を行いました。
 IKAROSは、本日も順調に深い宇宙の中を航行しています。

 臼田局で受信するIKAROSからの電波が微弱であるということは、逆にIKAROSに届ける
臼田局からの電波も以前よりも弱く届きます。
 そのため、送った指令がIKAROSで正常に受けつけてもらえない場合が発生し得ます。

 つまり、IKAROS君に「無茶ブリ」しても、

「なにーっ??なんて言ってるか聞こえないよぉー!!」

と言われてしまうのと一緒です。
 

 IKAROSに指令を送るときは、指令毎に1番,2番,3番,4番,5番・・・と番号をつけて
順々に送ります。
 IKAROSは、1番の指令を正常に受けたあと、次は2番がくると理解して、2番の指令が
届くのを「一生懸命」待っています。そして2番の指令以外の番号の指令がくると、
その全ての指令を破棄してしまうようにできています。

 つまり、IKAROS君には順序立てて「無茶ブリ」の内容を説明してあげないと、

「んっ?????????」

ととぼけて知らんぷりされてしまうのと一緒です。


 しかし、IKAROSの運用では、それなりにたくさんの指令を連続して一気に送らなければ
ならない事もあるため、その場合にはIKAROSから帰ってきた電波の強弱による返信が、
全ての指令の最後まで正常に受けられた結果であるのかどうかは、人の手によって
「一生懸命」判別している場合、あるいは、指令を送ってから返信が帰ってくるまでに
すごく長い時間かかる場合にとっては、結果を見誤ってしまう危険性があります。

 この危険性を排除し、かつ早期に指令が届いていなかったことを判別するため、たくさん
の指令を連続して送る場合には、一連の指令の途中に誰が見ても一目で判別がつく結果
を出す簡単な指令を入れ込んでいく作業を行っています。

 つまり、IKAROS君に次の返信を連続して出すように指令を送るとします。

 指令①「おでこで測った体温教えて?」
 指令②「おなかで測った体温教えて?」
 指令③「足の指の間で測った体温教えて?」
 指令④「今、何秒で1回転してる?」
 指令⑤「太陽ってどの方向に見える?」
 指令⑥「お腹の満腹具合はどのくらい?」
 指令⑦「力のみなぎり具合はどう?」

この指令を連続して送る場合、途中に簡単な指令を入れます。

 指令①「おでこで測った体温教えて?」
 指令②「おなかで測った体温教えて?」
 指令③「足の指の間で測った体温教えて?」

 指令④「口を大きくあけて!!あーーーーーーーーーん♪」←簡単な指令
 指令⑤「はいっ!!口にチャック!!」←簡単な指令

 指令⑥「今、何秒で1回転してる?」
 指令⑦「太陽ってどの方向に見える?」
 指令⑧「お腹の満腹具合はどのくらい?」
 指令⑨「力のみなぎり具合はどう?」

 指令⑩「口を大きくあけて!!あーーーーーーーーーん♪」←簡単な指令
 指令⑪「はいっ!!口にチャック!!」←簡単な指令

こうすることで、指令が全て正常に実行されていることを日々確認しています。。。

( KY )


P.S.

当然、言う事を聞かない駄々っ子には、指令の番号なんか関係なしに強制的に
言う事を聞かせる「絶対指令(別名:泣いてお願い)」も裏ワザとして準備は
してはいますが・・・。



1/28のIKAROS
太陽距離: 0.83AU
地球距離: 124784172km, 赤経=-106.8°, 赤緯=-18.3°
金星距離: 0.11AU(17134071km)
姿勢:スピンレート=1.8rpm, 太陽角=13deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.83AU
Earth Distance: 124784172km, RA=-106.8deg, Dec=-18.3deg
Venus Distance: 0.11AU(17134071km)
Attitude: Spin Rate=1.8rpm, Sun Angle=13deg