本日の運用は,金星通過後のデータレコーダの記録内容の再生と,
レンジング,スピンアップを実施しました.

IKAROSの送ってくる情報は,リアルデータ(その瞬間瞬間に発生するデータ)と,
リプロデータ(データレコーダに記録された過去の情報)の2種類があります.
通常の運用時は,通信帯域は全てリアルデータで占められていますが,
データレコーダのデータを再生するときは,
リアルデータの送信頻度を下げて通信帯域をある程度空けることで,
リプロデータ用に帯域が割り当てられるようにします.

最近は,地球からどんどん遠く離れ,確保できるビットレートが下がってきているので,
リアルデータの送信頻度を最低レベルまで下げたとしても
通信帯域のほとんどがリアルデータで占有される状況になってしまいました.
そこで,リアルデータを完全にOFFして,(※1)
通信帯域の全てをリプロデータに割り当てています.
(まあ,それでも欲しいデータがほんの少しずつしか取得できないので,
気長に気長に運用しています...)

「今IKAROSがどういう状態か見えないまま運用して大丈夫なの?」
と思われるかもしれませんが,もともと通信不可帯では
テレメトリは取得できない状態で姿勢制御などを行うようになっているので,
通信不可帯に突入したものと思って(思い込んで),
ひたすらリプロデータの取得に励んでいます.(R)

※1
まさかこの機能を実際に使うことになろうとは思っていませんでした...

12/16のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 76417494km, 赤経=-141.2°, 赤緯=-11.6°
金星距離: 0.02AU(2285579km)
姿勢:スピンレート=2.5rpm, 太陽角=13.5deg

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 76417494km, RA=-141.2deg, Dec=-11.6deg
Venus Distance: 0.02AU(2285579km)
Attitude: Spin Rate=2.5rpm, Sun Angle=13.5deg