6/16からIKAROSはスピンダウンを開始しました.
今日は2.5rpmから1.7rpmまで落としました.最終的には1rpm前後を狙います.
IKAROSは太陽とセイルの間の角度を調整(操舵)することで,光圧のかかり方を制御します.
スピンレートが高いと,姿勢安定性がよすぎて(専門用語で言うと,スピン剛性が高すぎて)逆に姿勢変更がしにくいのです.そのために,今後の定常運用は1rpm付近までスピンレートをおとすことで,操舵性をよくし,姿勢制御燃料を節約するのです.

IKAROSが,セイル展開状態で姿勢制御をおこなうのは今日が初めてです.
セイルのような巨大でとても柔らかいものがくっついている状態での姿勢制御は慎重を要します.
今日の運用では,セイルの挙動を観察しながら,ゆっくりじっくりスピンレート制御を行った結果,スピンダウンの全行程のおよそ半分が完了しました.
このように,セイル展開後のIKAROSにも,将来のソーラーセイルの本格実現に向けた研究要素がまだまだたくさんあるのです.(Y)

6/16のIKAROS
太陽距離:1.06AU
地球距離: 10163561km, 赤経=-155.9°, 赤緯=-23.2°
金星距離:1.18AU
姿勢:スピンレート=1.7rpm, 太陽角12.8deg