皆さん,お久しぶりです.Y3です.

本日(7月4日)の運用でも,無事IKAROSの電波を
捕捉することが出来ました.ありがたやm(_ _)m~☆


今回の冬眠明けでは探索運用初日の6月20日から
IKAROSを発見することができ,
続けて6月27日,7月4日と捕捉し続けているわけで,
結果としてあっさり見つかっているように思えますが,
実は,やはり裏では様々な努力がなされています.
その一例として,今日は長期軌道伝播のお話です.

昨年の9月に冬眠(1st Season)明けにIKAROSを発見して以来,
姿勢のダイナミクスがかなり絞れたため,
この冬眠(2nd Season)明けの運用において,
探索範囲がかなり絞られたことは事実です.

一方,冬眠(1st Season)明けにおいて,
正確な軌道決定を行うためのRangeのデータが
取得できなかったため,本日までの軌道伝播は,
2011年末に行った軌道決定値を初期値として1年数か月分
伝播しています.

軌道決定では,どれほど精度よく軌道を決めることが
できたとしても,必ず多少の誤差がつきものです.
この誤差は伝播時間(予測時間のようなもの)と共に
どんどん大きくなっていくため,
年単位で予測を行おうとすると,
その予測値が孕む誤差もハンパないことになります.

臼田アンテナ方向の予報のために軌道の長期伝播を
担当して下さっているメーカのSTさんも
これほど長い軌道伝播値を予報値として使ったことはない!
と仰っているほどで,通常の探査機の運用では
考えられないアクロバットな運用を行っています.

それほど大変なことを行っているため,
6月20日,6月27日,7月4日の運用においても,
実は最初に捕捉するまでに,予測した臼田アンテナの予報方向から
微調整を何度か加えた上で,ようやく捕捉できるといった
状況にありました.

この裏には,実は臼田地上局側の運用者の方のご活躍もあったのですが,
ページも足りなくなってきたので,その話は次回のお楽しみということで….


冬眠(2nd Season)を乗り越え,様々な知見を得たとは言え,
上述の通り,IKAROS運用もまだまだ侮れない状況にはあります.

とは言え,1st Seasonであれだけ時間をかけてIKAROSを発見したのに比べ,
今回,1回の探索運用で補足できたという事実からは,
我々のソーラーセイルの探索運用の実力が
確実に上がっていることも実感しています.

応援して下さっている方々には,我々の未熟さ加減で
まだまだご心配をお掛けしますが,
寿命を超えて航海中のIKAROSと共に,
どうぞ運用者側の方も温かく見守って頂けると幸いです.


PS:
つーか,運用やったならちゃんとBlog書いてよ!(6/27分)
ということは,ちゃんとOさんに伝えておきます(笑)


(Y3)


※以下の軌道情報は,参考値です.
7/4のIKAROS
太陽距離: 0.72AU
地球距離: 259593490km, 赤経=104.0°, 赤緯=23.5°
金星距離: 0.73AU(109521641km)
姿勢: スピンレート=---rpm,太陽角=---°

Today's IKAROS
Sun Distance: 0.72AU
Earth Distance: 259593490km, RA=104.0deg, Dec=23.5deg
Venus Distance: 0.73AU(109521641km)
Attitude: Spin Rate=---rpm, Sun Angle=---deg