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10/30 20:17 : 自己紹介(星野)

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Posted by: IKAROS
 油断していたら、ついに私にまで自己紹介がきてしまいました。。。
 1年ほど前からチームに参加させていただいています、星野です。

 昨年7月末に前プロジェクト(SELENE)が解散して相模原に移ったのがきっかけで、当時はIKAROSは総合試験が始まったところでした。
 最初は手探りで、試験日報を数週間書くのも一苦労だった記憶がありますが、先日の相模原特別公開でIKAROS実物大ペタルの展示を行った相模原C棟にて、初期電気試験に始まり、熱真空試験、振動試験、ロケットI/F試験などを経て、最終電気試験までと、今年3月までに一通りの検証が行われました。
 4-5月には種子島に40日間近く行き、最終の射場電気試験から、Blogでも紹介されているように、SFA、VABでのロケット引き渡し後の作業、そして最後の撤収まで行いました。

 これまで打上げ時は筑波や相模原で緊張しながら衛星状態をモニタしていましたが、今回は種子島で、独特の轟音とともに印象に残る打上げとなりました。打上げ後は運用手順とコマンドファイルの作成やスーパバイザなどのローテーションにも入っています。
 送信した指令コマンドからの応答を確認してから次の指令を送るのがこれまで何となくしみついていましたが、地球周回衛星や静止衛星、月周回衛星とは異なり、一連のコマンドをまとめて送信してから3分以上経過後にテレメトリで結果を確認する数千万km離れた交信にも慣れつつあるところです。
 IKAROSがプロジェクト化した3年強の期間のうちわずか1年間でしたが、いろいろと教えていただいたり、実感したことも多くありましたし、川口研の学生さんもかなり積極的に参加されておられ、
若い力を感じるミッションでもありました。
 Blogを読んでいただいても感じられると思いますが、分散協調が有効に機能しているチームと思います。今後もIKAROSチームへの応援を続けていただけたら幸いです。

 と、最後は何だかチームの紹介になってきてしまっているので自己紹介に戻りますが、SELENEでは、前出の米倉さんは地上系の追跡管制系を担当されていましたが、データの流れでいくと更に下流のミッション運用・解析系を担当しています。
 元々の専門は惑星科学ということもあり、現在も、相模原キャンパス内にある月ミッション運用・解析センター(SOAC)にて「かぐや」のデータ処理やデータ公開などを継続して行っています。
様々なミッション機器のデータが多数ありますので、こちらも興味がありましたらJSPECのホームページから辿って、是非アクセスしてみてください。
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Posted by: IKAROS
いつもIKAROS Blogをご覧頂き、また厳しいご意見も含めIKAROSをいつも応援して頂き、
誠にありがとうございます。
IKAROSチームの米倉 克英(よねくら かつひで)です。

私の自己紹介:
(1)所属:月・惑星探査プログラムグループ
     月・惑星探査プログラム・システムエンジニアリング室
(2)年齢:見た目は20代、体内組織は50代、実年齢は森さんより・・・。
(3)趣味:ソフトテニス、オールディーズライブハウスで踊ること(昔はリーゼントして、
    スカジャン着て、ライブハウスや花火大会やってる最寄駅のロータリーなんかで
    ツイストを踊っていた・・・のかも)
(4)口癖:「了解ですっ!!」
(5)好きな・・・



あっ。こんな事ではなくIKAROSに関する仕事のことでしたね。。。


 私は、IKAROSチームにおいて主に運用進行役のスーパーバイザー、週毎の運用計画立案や
運用手順書を作成する運用計画担当、主任無線従事者、衛星管制やデータを配信するシステム
の担当、チーム内の勤務調整等の担当をしています。(それぞれの担当の詳細については近い
うちにBlog担当の一人である「KY」さんが書いてくれるでしょう。)


 昨年10月頃からIKAROSチームの作業に参加させて頂き、チームに参加してからは、

  ・運用準備(IKAROSの詳細な運用項目の再整理、手順化、IKAROS本体を使用した地上
        総合試験での確認等)
  ・地上系システムの整備(IKAROS運用室の電源やネットワーク整備、IKAROS管制やデータ
        を配信するシステムの構築、地上系システムに関する全体総合試験での
        確認等)
  ・IKAROS追跡管制チームの組織構築(打上げ前~初期段階終了に至るまでの体制を強化
        した組織で、IKAROSチーム外からもたくさんの関係者が参加する。この組織
        の作業手順書や担当間ルール作り等)

の作業を担当した後、IKAROSが打ちあがってからは上に書かせて頂きましたスーパーバイザー
等を担当させて頂いてます。

と・・・(行数をかせぐために・・・)いろいろ書いてしまいましたが、一言で表現すると、
「IKAROS運用担当」です。


 そうそう。簡単な経歴についても紹介させて頂きます。

 電波通信学(現在は情報通信学)を専門とした高等専門学校を卒業させて頂いた後、旧宇宙
開発事業団(NASDA)の職員として勝浦追跡管制所(現在は勝浦宇宙通信所)に配属となり、
3年間、人工衛星との通信を行うための設備(大きなパラボラアンテナや電波を送信/受信する
機器、データを処理する機器)の保守や管理を担当しました。
 その後は、東京にあったNASDA本社や茨城県の筑波宇宙センターで、様々な人工衛星の打上げ
や初期運用作業を手伝いながら、「かぐや」プロジェクトの立ち上げ、「かぐや」追跡管制
システム(※1)の開発・整備・運用に携わってきました。

(※1)追跡管制システムとは、追跡(衛星の位置を決め双方向の通信を確立する)・管制
   (衛星の健康状態を知り指令を送る)を行うシステムのことで、「かぐや」の生死や
    ミッション遂行に必要な中心となるシステムのことです。

 「かぐや」の作業が終了してからは、「はやぶさカプセル再突入・回収」作業の後方支援
という形でお手伝いさせて頂きながら、前述のとおりIKAROSチームに参加させて頂いています。

 なので、私の場合、IKAROSチームの他の皆さんと違い研究系ではなく、技術系として追跡
管制という分野を一貫して歩いてきました。
 この経験を生かし、IKAROSチームで一線級の担当として活躍するぞという意気込みでしたが、
深宇宙を航行する探査機に特有の運用に直面し、「はやぶさ」の運用で活躍したIKAROSチーム
の面々に教えられることばかりで、未だ「修行が足らん!!」と自分に反省する毎日です。
 いつかは、「この分野に関することは、とりあえずあいつに聞け!!」と言われる技術者に
なりたいです。


 少々プライベートのことも書きたいと思います。

 4年程前から千葉県に妻と子供2人を残し単身赴任中です。私がこうして仕事を安心して
出来るのも、留守中の家を、家族を、家族みんなが一生懸命支えてくれてるからだと実感する
毎日です。1週間に1度しか家族と会えませんが、家に帰ったときには、なるべく家族が
笑って過ごせるようにしたいと考えています。
 私事で大変恐縮ですが、この場をお借りして家族みんなに一言。

 「いつも本当にありがとう」


 単身赴任するより前に受診した健康診断で骨密度の検査があったのですが、結果、

 「50代の一般男性平均並みの骨密度ですね。運動してください!!」

と言われてしまいました。なので、単身赴任始めてから、10数年振りにソフトテニスを再開
しました。相模原市に所属するクラブチームや某SNSのコミュニティで開催している近場の
練習会にも平日夜に参加させて頂きながら体を動かしていましたが、IKAROSが打ちあがって
からはなかなか参加できていません。そろそろチームのみんなに仕事を無茶ブリしつつ、
自分の骨密度をこれ以上悪くしないようにしたいと策略したいと思います。
(逆襲の無茶ブリが予想されますが・・・)


 最後に、IKAROSのミッションがここまで順調に来れているのも、IKAROSチームにいる
個人個人の技術力もさることながら、IKAROSチームの面々が「人と人とのつながり」をすごく
大切にし、そのつながり支援してくださる優秀な研究者や技術者を呼び、IKAROSの数々の
ミッションを成功させている最大の理由であると私は感じています。そして、何よりも支援
してくださる企業の方々や、応援してくださる皆様方がいらっしゃるからこそ、その力添えや
応援がIKAROSチームの原動力となっているに他なりません。

これからも、IKAROSを、IKAROSチームを、ikaroskunを暖かく見守って頂き、応援の程よろしく
お願いいたします。


P.S.

私の自己紹介は、こちらでもご覧になって頂けましたなら幸いです。
(2007年時点のものですが・・・)

JAXAクラブはこちらから。(申し訳ありませんが会員登録して頂く必要があります)

  https://www.jaxaclub.jp/cgi-bin/index.cgi

ぜひ、JAXAクラブにもご登録頂き、宇宙航空に関するご理解を少しでも深めて頂けましたら
幸いです。
ikarosukunは何とかして登録してください。(無茶は得意でしょ?)

ちなみにJAXAクラブの私の紹介で少しふれさせて頂いている宇宙からの技術、【缶チューハイ
で良く見る「ダイヤカット缶」と呼ばれる胴にダイヤの形状がある缶】の技術は、以下の
ページで解説されています。

  http://aerospacebiz.jaxa.jp/impre/index_j.html

ビールも好きだけど、缶チューハイも好き。



(自己紹介(米倉)・・・つづく・・・いえ、以上です)



Category: Member
Posted by: IKAROS
イカロス君に自己紹介を振ってもらえる日が来るとは夢のようです.
前回自己紹介された白澤さんと同じく,現在博士3年の三桝裕也(みますゆうや)と申します.

実は九州大学というところの学生なのですが,宇宙研の特別共同利用研究院制度というものを利用して,既に2年ほど川口研究室でお世話になっています.
気の弱い九州男児です(結構いると思います).

IKAROSの開発では,以前自己紹介をされた遠藤さんと共に,主にセイル膜の製作に参加させてもらいました.人材育成というのもあって,自分も学生という立場ながら,色々なことをやらせてもらいました.
あの頃を思い返すと…


う,うぅ…

キャパの狭い自分にとっては,今でも身震いするほどの忙しさでしたね.

良くやり抜けたなと思いますが,自分が頑張れたのは,常に自分以上に職員の方々や他の学生さんが頑張っている姿があったからでした.夜中2,3時に及んで,時には家に帰るのも忘れて仕事をされていた姿には感動を覚えました.
「この人たちが日本の宇宙開発を支えているのか」と.
「自分も早く追いつけるように」と.

Oさんなんかは,定常運用に入った最近でもブログを朝6時頃にアップすることがありますね.真似はしない方が良いと言われていますが…(笑)


また,IKAROSの運用の方でも,姿勢系の職員さんのお手伝いで,姿勢決定の解析をさせてもらったりしています.
実際にIKAROSから送られてきたデータから,探査機の姿勢がどうなっているのかを想像するのは非常に面白いです.以前T2さんがBlogでも仰っていましたが,探査機から送られてくる日々のデータは,かけがえのない宝物だと切に思います.
イカロス君,これからもたくさん送ってきてね!!

ということで,上述のように,自分も多分に漏れず,アストロダイナミクス(宇宙機の軌道や姿勢運動)に魅せられた一人です.なので,その分野のことで研究を行っています.元々は宇宙飛行士になりたくて,宇宙の分野に足を踏み入れたのですが,今では,探査機の運動が,宇宙空間という極限の環境でどうなっているのかを知ることに至福の喜びを感じてしまっています.
ふふ…

そういう意味で,世界初を成し遂げたIKAROSプロジェクトに関われたのは,非常に幸運なことで,その実データを用いた解析が行える自分は,この上ない幸せ者だと感じています.チャンスを与えて下さった方々に,ただただ感謝です.
ありがとうございます!!

今後も,自分の好きなこの分野で仕事が出来ればいいなぁと思う今日この頃です.


なんか… 内容薄いなぁ…
最近,髪の毛の薄さにも悩んでます(笑)
(※笑い事じゃない)


拙い文章でしたが,最後まで読んで頂き,ありがとうございました.
また,日々,IKAROSの応援ありがとうございます.
学生を含め,プロジェクト関係者一同,皆様の応援を励みにしております.
これからもどうぞ温かい目で見守って下さい.
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Posted by: IKAROS
イカロス君に名前を呼んでもらえると嬉しいですね.
IKAROSチームの白澤洋次(しらさわようじ)と申します.
無茶ブリされるのはあまり嫌いじゃない性格ですので喜んで自己紹介を...
イカロス君が油断しているスキに1日早く書いてやったぜ!!


私は現在博士3年で宇宙研のくr...川口研究室に所属しており,
ソーラーセイルの研究開発にも参加させていただいております.
学生ということでIKAROSでの担当は何もありませんが,
多くの場面でお手伝いをさせていただいた経緯もあり
「回」の字を見るたびにIKAROSが頭に浮かぶほど思い入れがあります.
それだけに,IKAROSの成果に最高の感動を覚えています.


IKAROSには本当に学生が深く関わっています.
人材育成という目的の他にも,
時間・予算的に厳しい状況を打開する解の一つとして,リスクを冒してでも
多くの作業を学生に任せてしまおうという背景が少なからずあったものと思います.
そのおかげもあって設計から運用までIKAROSに深く関われたことを幸運に感じております.

その一方で,関わりすぎることに対する不安もたびたび感じておりました.
開発,試験の過程ではメーカーの方をはじめとして多くの方々にご迷惑をかけてばかりでしたし,
私が仕事をすることでIKAROSは完成に近づいていくという実感はありましたが
同時にIKAROSのクオリティが下がっていく,というジレンマに悩まなければなりませんでした.
そういったクオリティの低下を,職員の方々がギリギリのところで
管理しフォローして食い止めてくださってきたおかげで
IKAROSは数々の成功を取りこぼさずに済んだのだと思います.

ということで,功罪ともにありますので建前として謙虚に書きましたが,本音では
「私がいなければIKAROSはここまで成功しなかった...ふふ」と思っている猫かぶりです.


さて,自己紹介ですね.

私は主に宇宙機の姿勢力学・制御について研究しており,その他にも
IKAROSのセイルのような柔軟構造の運動力学をはじめとしていろいろな研究をやってきました.
ソーラーセイルのような世界で誰も成し遂げたことのないミッションに挑むには,
宇宙機のシステム全体に対し幅広い知識を持ち,
専門の枠を越えた視点に立つことも重要だと考えているためです.
結果,風呂敷を広げすぎたせいで収拾つかなくなってしまい,
いまだに自分の専門分野がちゃんと確立できていなくて困っているところです.

えーっと,あと...月並みですが,小さい頃から宇宙が大好きです.
昔から家に宇宙の図鑑や天体望遠鏡があったことが影響していると思います.
兄に見せてもらった天体望遠鏡の中で揺らめくちっぽけな土星の姿は今でも覚えているし,
図鑑を眺めては木星の大赤斑アーモンドを食べてみたいとか
土星の輪にかじりつきたいとかいう妄想によく浸っておりました.
(共感を持ってくれる人は多いはず!)
現在にいたっても宇宙工学にしがみついてあきらめられない理由は,
日本の科学の将来とか人類の進歩のためとかいう動機はもちろんですが
そういう昔からの感動や欲求に囚われているというのが本質な気がします.
こんなのでも許されるのであれば,今後も宇宙の仕事をさせていただきたいと思います.


だんだんと華々しいプレスリリースも減っている中でも
こうしてブログを覗いて興味を持ってくださるかたがいらっしゃるというのは本当に嬉しいです.
今後も皆さまと共にIKAROSの成果を共有していきたいと思いますので
ひきつづき見守っていただけますようお願いいたします.

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Posted by: IKAROS
 いつも専門チャンネルおよびIKAROS-blogをご覧頂き,誠にありがとうございます.

 さて,突然ですが通信不可帯について説明して欲しいという意見が,お手紙やブログのclapなどに多く寄せられましたので,少し砕けた説明をしてみたいと思います.

 ↓こちらの方に説明ページを作成しましたのでご覧ください.
 http://www.jspec.jaxa.jp/ikaros_channel/bn015.html


 また,昨日ONにしたダストカウンターALDNについて,『どうして宇宙の塵を数えることができるのか?』というご質問をお手紙で頂いたので,私の分かる範囲で簡単に説明したいと思います.

 世の中には圧電素子,またはピエゾ素子と呼ばれるものがあり,これは簡単に説明すると力を加えて変形させることで電気(電圧)が発生するという素子です.
 例えばライターなどの着火部分にも使われていますね.大昔にそのようなオモチャがあったような...(私の田舎ではカッチンと呼ばれてた記憶が...)

 IKAROSのセイル上にはそれを特殊な技術で薄膜(数μm~数10μmオーダー)にしたものが貼られています.太陽と反対側(銀ピカじゃないほう)に8箇所貼ですね.
 ここに塵が衝突すると,その薄膜が変形することによって電圧を発生しますので,電圧が高くなった回数を数えることによって塵をカウントすることができます.電圧の大きさや,変化した時間によって塵の大きさなどが分かるようですね.
 「ようですね」と書いたのはALDNなどのミッション機器は専門のチームがありまして,開発および解析はIKAROSとのインターフェース部分以外,チーム内で行われます.不幸にもものすごい相対速度をもった塵が飛んできたら,当然貫通してしまいますが,IKAROSの飛ぶ軌道上で予測される塵では貫通しない予想とのことです.

 ALDN以外にもGAP,VLBIも専門チームによる開発ですので,いずれ担当の方にここでミッションについて詳しく紹介してもらいたいと思っています.

 今後とも,IKAROSおよびイカロス君の応援をよろしくお願い致します.(H)