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Posted by: IKAROS
週末に日本に帰国したのですが、ネットをつないでみて
「ええええええええぇ?!」
という感じでした

イカロス君が喜ぶと思ってチーズケーキを頼んだのですが、
逆に無茶デブリの被害に遭ってしまいましたね..しかも追い討ちで
ハードルが上げられているし「イカ坊とT2めっ」




あ。



自己紹介でしたね



「だが断る!」




と男らしく(イケメン風?)断りたいところですが、イカロス君と
T2さんに怒られてしまうので、ちゃんと答えなきゃですね
T2さんにイジられて困っているのですが、いたって普通の30代ですよ。
ちなみにT2さんとは同い年です。


あ。。




そう、自己紹介でしたね
別に大してツケメンでもないので、普通の自己紹介でいきます。

澤田弘崇(さわだひろたか)といいます。
歳はもうTVでバレてしまっているのですが30代半ばです。
IKAROSではセイル展開ミッション全般を担当していました。

元々の専門は宇宙ロボティクス/ダイナミクス/制御で、大学から
JAXA入社後数年間は宇宙ロボットの研究をしていたのです。
私が立ち上げに携わったREXJというプロジェクトが進んでいるので、
そちらも密かに成功して欲しいと願っています。

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07/23 13:41 : ニューヨークより

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Posted by: IKAROS
 正式にはお伝えしてませんでしたが,ブログで触れられているようにニューヨークで開催されているthe 2nd International Symposium on Solar Sailing (ISSS 2010) に学生も含め6名が参加しています.
 本日最終日を迎え,無事に全員発表し終わりました.やはり世界初のソーラーセイル実現ということでIKAROSの注目度が断トツでしたね.発表後だけでなく休憩時間などにも様々な質問を受けました.

 明日,全員帰国します.
 日本ではそろそろIKAROSの運用準備が始まりますね.残ってくれたメンバーには運用の負荷を増やしてしまい申し訳ない気持ちです.アイスコーヒー用の豆とお菓子を大量に買っていきますね.赤とか青とか緑とか,いろんな色をしたお菓子を買っていきます.(H)
 

タイムズスクエア
20100723-タイムズスクエア.jpg


ニューヨークチーズケーキを前にイカロス君も満足気です
20100723-ニューヨークチーズケーキ.jpg



07/21 02:54 : 自己紹介(津田)

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Posted by: IKAROS
IKAROSチームの 津田 雄一(つだ ゆういち)です.
このblogを見ていただいているみなさま,いつもIKAROSを応援していただき,
ありがとうございます.

開発メンバーの自己紹介第2弾ということで,少しだけ筆を執らせていただきます.
とにもかくにも,セイル展開が完了した6月10日,あんなに晴れ晴れした気持ちになったのは,
後にも先にもここ以外にありません.

ソーラーセイルという技術の可能性は,100年ほど前に理論化され,以来世界中で
研究がなされてきたものですが,単に学術界だけではなく,未来の究極の宇宙技術として,
SF小説や映画,漫画に描かれ続けてきたという意味では,ソーラーセイルは夢の技術の
代表格的な存在でしょう.

ソーラーセイルが原理的に可能であることは,IKAROSをやるまでもなくわかっていたことです.
しかしわかっていることとやれることには100光年からの差があります.ソーラーセイル技術を
実証できた意義は,いろんなところでお話させていただいているのでここでは置いておくとして,
ともあれ世界で初めて,「ソーラーセイリング」を実現したのです.

人類の夢実現の片棒を担げたかと思うと,IKAROS殿も少しばかりむずがゆい思いを
しているのではないでしょうか.

IKAROSが成功したのは,大学とJAXAの人間から成るIKAROS開発チームの努力のたまもの
であり,失敗しなかった理由は,IKAROSのバスシステム(通信・姿勢・推進・電源・
データ処理等の宇宙機の根幹をつかさどる機能)を開発した我が国のメーカー群の確かな
実現力と高い技術力によるものです.
非常にチャレンジングなこのIKAROSミッションの足跡を振り返るに,特に後者の点を
感じずにはいられません.
日本は,もう少しばかりこの点を堂々と誇ってもよいのではないかな,と感じたりもします.

あ.

言いたいことを言っている間に,いつのまにかIKAROS紹介になってしまいました.
自己紹介に戻しましょう.

私は,IKAROSチームのサブチームリーダーを務めながら,IKAROSの軌道・航法・姿勢制御を
担当しています.
私がソーラーセイル研究に携わって7年.この新しい航法を実現するために,私自身,セイルの
折り方からスタートしました.折り紙から始めて,ついに"航法"にまでたどり着いたのです.

生みの親(のひとり)としては,ここまでやってくれたわが子であってもさらに多くを期待して,
まだまだ沢山の実験を用意しています.
IKAROSは,ソーラーセイルができるかどうかではなく,今後のソーラーセイル技術のために
どれだけのことをできるかを見せるステージに来ています.

これからのIKAROSのフライトに,引き続き応援をどうぞよろしくお願いいたします.

07/04 22:44 : 自己紹介(森)

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Posted by: IKAROS
IKAROSチームの森 治(もり おさむ)です.

いつもIKAROSを応援していただき,大変ありがとうございます.IKAROSのチームリーダとして,ここまで順調に運用でき,ほっとしています.(セイル展開に失敗していたらと思うと今でもぞっとします・・)

イカロス君の無茶ブリ&催促にこたえて,自己紹介を書きたいと思います.(予想外の展開にびっくりしました・・)

私が惑星探査に興味を持つことになったのは,高校に入ったばかりのころです.NASAの探査機「ボイジャー」が,海王星を通過し,あとは太陽系の外に向かって飛んでいくということで,節目となるパーティをやっているのをテレビで見ました.この番組で,太陽系の惑星を次々に探査する壮大な計画を知り,いつか自分もこのようなプロジェクトに関わりたいと思ったのが,今の自分につながっていると実感しています.

ソーラー電力セイルはまさに遠くの天体に行くための探査機です.遠くの天体に行く場合,電力と燃料が大きな問題になります.巨大なセイルに貼り付けた薄膜太陽電池で大電力を得て,ソーラーセイルとイオンエンジンのハイブリッド推進で外惑星を探査するという方法は,ボイジャーとは一味違った日本流の惑星探査であり,太陽系大航海時代を先導できると信じています.

2001年にこのソーラー電力セイルの計画検討を開始したときは,私は大学から参加していました.そして,2003年のJAXA発足時に大学から異動し,この計画に専念できるようになりました.本当に本当に幸運だと思います.

私は,動力学・制御を専門とし,主にセイルの展開実験・解析を担当しています.セイルの展開挙動は,非常に複雑ですので,実際に展開実験を行い,これを解析モデルに反映していきます.小さな真空層で手のひらサイズのセイルを広げることから始まり,だんだんセイルを大きくしていき,大気球や観測ロケットを使った実験に至りました.スケートリンクの上でカーリングのストーンを先端マスにして実験したこともあります.超薄膜のセイルを広げるのは難しく,うまくいかないことも多いのですが,たくさんの仲間・学生と力を合わせてやる実験はとても楽しいです.

IKAROSのセイル展開は,これまでの一連の実験を受け,ソーラー電力セイルへつながる最後のかけ橋になると言えます.正確な解析モデルを完成するためには,どうしても重力や空気抵抗のない環境で実際に大型のセイルを展開する必要がありました.IKAROSの各種展開データを用いることで,超大型のソーラー電力セイルが設計可能となります.分離カメラでIKAROSを撮影したのは,世界に衝撃を与えるためだけではないのです.

最近,2歳の子供が「パパとイカロス君,がんばれー!」と応援してくれます.まったく予想していませんでしたが,はやぶさ君との相乗効果もあり,たくさんの人がイカロス君に興味を持ってくれて,うれしい限りです.IKAROSのミッションはセイル展開以外にも世界初が目白押しです.皆さんと一緒に思う存分,イカロス君の冒険を楽しみたいと思います.

冒頭のボイジャーのパーティで研究者の一人が,「自分にとって子供のようなボイジャーが,巣立っていって少しさみしい・・」と言っていたのが印象的でした.我らがイカロス君も順調に旅を続けていけば,いつか巣立っていくことになるでしょう.IKAROSの成果をしっかりと引き出し,これを踏まえて,近い将来,ソーラー電力セイル探査機を作りあげることが私の目標です.