PLAINニュース第202号
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H 22 年度 第一回 科学衛星運用・データ利用センター (C-SODA) 運営委員会報告

海老沢 研(C-SODA運営委員会副委員長)

 2010 (平成22年) 年度第一回 C-SODA 運営委員会が 7月 29日、宇宙科学研究所A棟三階会議室にて開催されました。昨年度末の委員会で決定した通り(PLAIN ニュース 198号参照)、今期の委員会のタスクは国内外の科学衛星データの公開・利用状況を調査し、それに基づいた今後の科学衛星データ公開・利用についての提言をまとめたレポートを作成することとなっています。それに向けて、今年度初めての会合となりました。出席委員は、JAXA 外からは尾中 (東大)、水本(国立天文台)、出村(会津大)、JAXA 宇宙研内からは中村宇宙理学委員長、C-SODA からは篠原、松崎、山本、海老沢でした。

 議論に先立ち、衛星データ処理やアーカイブに関連して、現在は分野や衛星ごとに用語がばらばらに使われていて、それがしばしば混乱をもたらすことがあることが指摘されました。それを防ぐために、各分野で用いられている用語を精査・統一した上で用語集を作成し、それをレポートに含むことが合意されました。また、今後、衛星アーカイブ整備を進めていくためには、衛星プロジェクトの開発フェーズと独立にアーカイブのフェーズを定義すること、プロセシング、アーカイビング、サービスの三つを明確に区別することの重要性なども指摘され、これらもレポートに書き込まれることになりました。

 委員会に先立って C-SODA 内の委員によってレポートのドラフトが起草されましたが、それをたたき台として活発な議論が行われました。議論の結果、レポートには以下のような内容が盛り込まれることとなりました。

  1. 宇宙科学データアーカイブの目的、現状とあるべき姿。
  2. アーカイブに関する用語集。
  3. 各研究分野におけるデータ公開・利用の状況とあるべき姿。
  4. あるべき姿に向けた提言。

 提言においては、科学データ公開・利用に関して JAXA の科学衛星が従うべきいくつかの原則が示されています。また、C-SODA 運営委員会の後継となる「データ専門委員会 (仮称)」が、各衛星プロジェクトのデータ公開・利用状況を、各段階に応じて、レビューすることが提案されています。さらに、レビューの結果を衛星データ処理・アーカイビングにかけるリソースや予算要求、運用継続と関連づけることなども提案されました。今後、各委員が専門分野のレポートを持ち寄り、9月に開催 予定の委員会でさらに議論を進め、詳細を詰めて行く予定です。本レポートが、今後の望ましい科学衛星データ公開・利用のあり方についての指針を示すとともに、それを実行する体制の実現に向けての第一歩となることを期待しています。



(2.1MB/ 4 pages)

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