PLAINセンターニュース第170号
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平成19年度 第一回 宇宙科学情報解析センター運営委員会報告

藤井 孝藏、海老沢 研
PLAIN センター


 2007年 11月 6日に、本年度第一回宇宙科学情報解析センター (PLAIN センター) 運営委員会を開催した。当委員会は、大学共同利用機関としての PLAIN センターの運営方針を検討するもので、本部内外の委員から構成されている。今年度は以下で説明するような重要な討議事項が発生したため、年度途中に第一回を開催した。

報告、および討議事項は以下の三点である。

  1. 相模原キャンパス内ネットワーク現状報告
  2. 衛星運用支援・データ処理計算機調達準備状況 
  3. 新しい相模原キャンパス情報システムの提案について

1. に関して、本年度から導入された相模原キャンパスの新たなネットワークシステム、および来年度から導入予定のシステムの概略が報告がされた。特に、公開性のレベルに基づいたネットワークの系の切り分けが進められていることについての説明があったが、外部の委員からは、複雑でその背景がわかりにくいとのコメントがあった。それに対し、宇宙科学研究本部のネットワークは、JAXA の一組織として高度なセキュリティーが要求されると同時に、大学共同利用機関として開かれたものであることが期待されており、その二つの要求を同時に実現するための工夫が必要であることをご理解いただいた。また、人工衛星の運用に関して、できれば外部の大学からも衛星運用が可能なようなネットワークにしてほしい、という要望が出された。それについて、SINET の中でセキュアーな閉じたネットワークを構築すれば可能ではないか、という意見が出され、今後の技術検討事項となった。

2. に関して、5 年に一度の機器換装(リプレース)の準備が進行中であり、新システムを 2008 年度夏から導入予定であることが報告された。特に、今回の調達に当たっては、今までの調達とは異なり、仕様書を衛星運用システムと利用システムの二本立てにしたことが説明された。別のベンダーが運用と利用を入札した場合にオーバーヘッドが生じる懸念も指摘されたが、衛星運用システムはユニークなものであるのに対し、利用システムは汎用的なものであり、複数のベンダーに参入機会を与えることの重要性や、運用と利用の作業範囲を明確にし、データ利用システムの安定稼働が衛星運用と独立に評価される仕組みをつくることを重視して仕様書を分けたこと、が説明された。

3. の背景として、近年、相模原キャンパスにおける衛星運用、利用、ネットワーク業務の壮大に伴い、それに最適化した組織づくりの必要性が認識されていた。本年度前半、PLAIN センタースタッフ、科学本部の衛星運用、利用に関わる職員らからなるワーキンググループが設立され、「新しい相模原キャンパス情報システム」の提案を宇宙科学研究本部に対して行ったことが報告された。本提案の具体的な内容が説明され、今後安定した衛星運用、利用を行うためには、現組織を改編して最適化を図ることが必要であることを了解いただいた。本提案は 8月に本部長に対して提出されたものであり、科学本部としても、前向きに実行する方針となっている。一方、現在、JAXA 横断的に新たな技術開発体制の議論が進んでおり、本提案もその大きな再編成の中で検討すべきものなので、新組織がいつ頃、どのような形で実装されるかは未定である。組織改編の進捗状況については、進展があれば、また PLAIN センターニュースで報告する予定である。

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