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皆様こんにちは。宇宙開発事業団、地球観測利用研究センター(Earth Observation Research Center: EORC)の松岡と申します。今回ご縁がありまして地球観測についての執筆を依頼されました。承諾したのはよいものの、地球観測というテーマはあまりにも大きすぎて私にはとても書けるような代物ではありません。そこで私が携わっております陸域観測技術衛星(Advanced Land Observing Satellite: ALOS)の概要とALOSの運用に向けたEORCの取り組みについて今回と次回の2回にわたってご紹介させていただきたいと思います。今回はALOS衛星の紹介です。
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1. ALOS の概要 |
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1.1. パンクロマチック立体視センサ(PRISM) |
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1.2. 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2) |
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1.3. フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR) |
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宇宙開発事業団の地球観測衛星計画は、主に陸域・大気・海洋をグローバルに観測する衛星と、陸域を細かく観測する衛星の2つにシリーズ化されています。ALOSは後者に属しており、地球資源衛星1号(JERS-1)および地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)による陸域観測技術を継承・高度化し、陸域を高い空間解像度で観測するために開発が進められている衛星です。ALOSの概観図を図1に、また主要諸元を表1に示します。
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図1 ALOS の概観図

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表1 ALOS の主要諸元
打ち上げ予定日
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2004年6月
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打ち上げ機
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H-IIAロケット
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打ち上げ場所
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種子島宇宙センター
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衛星質量
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約4トン
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発生電力
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約7kW(寿命末期)
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設計寿命
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3〜5年
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軌道
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太陽同期 準回帰軌道
回帰日数:46日
サブサイクル:2日
高度:691.65km(赤道上空)
傾斜角:98.16度
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姿勢決定精度
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2.0×10-4度以内(オフライン、GCPあり)
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位置決定精度
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1m以内(オフライン)
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データ転送速度
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240Mbps(データ中継衛星経由)
120Mbps(直接送信モード)
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搭載データレコーダ
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固体データレコーダ(90Gbytes)
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ALOSは「地図作成」「地域観測」「災害状況把握」「資源探査」の4つのミッションを達成することを目的としています。また、衛星開発機関としては将来の地球観測に必要な技術を開発することも大きな目的の一つです。これらのミッションを達成するため、ALOSは高精度で標高抽出を行うためのパンクロマチック立体視センサ(PRISM)、土地被覆を高精度に観測するための高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)、および昼夜や天候によらず観測が可能なフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)の3つの地球観測センサを搭載しています(図1参照)。ALOSは搭載された恒星センサやGPSレシーバ等を用いて従来の衛星とは比較にならないほど高精度な位置・姿勢決定が可能であり、これらは地図作成に有効です。ALOSの回帰周期は46日ですが、ポインティング機能(センサの首を横に振るように軌道直下よりも外側を観測する機能)により、2日以内にどれかのセンサが地球上の任意の点を観測することができるため、すばやい災害状況の把握が可能になっています。取得されたデータはデータ中継技術衛星(DRTS)を経由して、あるいはダイレクトに地上のアンテナに送信されることになっています。またDRTSや地上アンテナの不可視範囲では取得データを一時的に固体データレコーダに記録することも可能です。
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