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M-Vスケジュール見直し
鶴 田 浩 一 郎
2月のショックから半年が経ち,ようやく先のことが考えられる状況になってきました。宇宙研の衛星打上げスケジュールの見直しもその一つです。宇宙研では,M-Vロケットの信頼性回復と事故で失われたASTRO-E衛星の代替機(ASTRO-E II)の早期実現を目指して検討をしてきました。M-Vの信頼性回復はノズルスロート部の耐熱材を従来のグラファイトから3Dカーボン・カーボン材に変更することを基調とした対策を施すことによって達成しようとしています。関連する様々な試験等に要する時間を考えますと2002年7月に予定していたMUSES-Cの打ち上げは困難であるとの結論になりました。幸い,MUSES-Cが対象としていた小惑星(1989ML)に代わって1998SF36という小惑星を新たな対象にすることによって半年遅れの2002年11-12月という打上げが可能であることが分かりました。この結果,LUNAR-A,ASTRO-Fの打上げもそれぞれ予定より半年遅れの2003年夏期,冬期打ちとすることになりました。ASTRO-E IIとSOLAR-Bを共に2004年度に打上げることが研究者の強い希望でありましたが,それは困難で,苦しい判断の結果,ASTRO-E IIを2004年度冬期,SOLAR-Bを2005年度夏期打上げとすることになりました。特に,2004年度夏期打上げを目指して開発を進めていたSOLAR-B関係者には大変苦しい妥協をお願いすることになってしまったことが残念です。
現在,このようなスケジュールに基づいて関係省庁との折衝が進んでおります。
このスケジュールで進むことが出来れば今回の打上げ失敗に伴う処置は2005年度までで全て完了するものと考えています。
(つるだ・こういちろう)
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