No.189
1996.12


- Home page
- No.189 目次
- 研究紹介
- お知らせ
- ISAS事情
+ M-V事情
- でっかい宇宙のマイクロプロセス
- 東奔西走
- パソコン活用術
- いも焼酎

- BackNumber
M-V-1 組立オペレーション始まる



 宇宙研の次期衛星打ち上げ用ロケットであるM-V型ロケット1号機の組立オペレーションが,鹿児島宇宙空間観測所で開始された。M-V-1 号機の打ち上げは,7月号でご報告したように,慣性計測装置の調整に時間を要することから,本年度夏期の当初予定を冬期に変更していたが,その後,慣性計測装置の調整及び各種試験も順調に進み,来年2月の打ち上げに向けていよいよ実機の組立が始まったものである。11月18日にはTVC班が先頭を切って作業を開始し,21日には推薬庫に保管してあった各段ロケットモータもM組立室に搬入されて本格的作業が始まった。6月の総合地上系オペレーション実施後,5ヶ月という異例に長い期間ロケット等を鹿児島宇宙空間観測所に保管した事もあって,各班ともコンポーネントの慎重な検査から作業を始めている。全く新しい機体である上,従来に比べて一回り大きな機体であるので,各班とも慎重に作業を進めているが,順調な滑り出しである。今後,ダミー衛星を搭載したロケットが整備塔内で全段組み立てられ,12月18日に行われるランチャ角度付けを含む実発射さながらのリハーサルでは,今までのMロケットよりは多少ずんぐりしたM-V型ロケット実機が初めて姿を現す予定である。従来のMロケットでは,打ち上げオペレーションでの実衛星搭載に備えて,組み立てオペレーションの終わりに頭胴部を降ろしていたが,今回は引き続き機体動特性を確認するための全機振動試験を実施するため,頭胴部はロケットに載せたままの年越しとなる。

(小野田淳次郎)



#
目次
#
でっかい宇宙のマイクロプロセス
#
Home page

ISASニュース No.189 (無断転載不可)