宇宙研の衛星計画は,研究者が自らテーマを決め,研究者同士が議論をして決定されます。そして研究者が衛星を打ち上げ,観測をして,成果を共有します。すべて研究者の腕にかかっているのです。この考え方も踏襲しなければなりません。名称は宇宙科学“本部”となるかもしれませんが,“研究所の心”を忘れないで,本職の研究者であって欲しいですね。
物理学では,天文学という選択肢もありました。40年ほど前は,ちょうどクェーサーが見つかって,天文学が注目を集め始めたころです。でも私は,クェーサーが宇宙の果てにあるといっても昔の光を見ているだけではないか,それで何が面白いのか,と思ってしまったのです。ところが,じつはものすごく面白かった。先見の明がありませんでしたね(笑)。